RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー@チネチッタ川崎  2020年8月23日(日)

封切り三日目。

席数154の【CINE9】は一席空けての案内だと実質77席。
それが満員の盛況。

終映時には、最早お馴染みの列毎の退出案内。

f:id:jyn1:20200824090220j:plain


アメリカン・グラフィティ〕を頂点とする、卒業前夜を描いた
所謂{ワンナイトもの}は、過去
ほぼほぼ男子視点の作品だった記憶。

しかし考えてみれば同年代なら女性だって同じ鬱屈を抱えているハズで
本作はその点を汲み取った新しい展開。


しかも下ネタてんこ盛りの女子トーク満載。

「PG12」の設定は何故に?と思っていたが、
なるほどこれなら納得のレイテイング。


題名の「booksmart」は「学はあるけど要領の悪い人」の意らしく、
それを高校三年間地で行った『モリー』は勉強に邁進、
アイビー・リーグ」の名門「イェール大学」に進学を決める。

ところが、ちゃらけた言動に辟易していた周囲の学友が
自分と同様、いやそれ以上の進路を決めていたことを知り愕然、
彼女の中で何かが音を立て変わって行く。


残り少ない学生生活をエンジョイしようと、
幼馴染の『エイミー』を無理矢理誘い
クラスメイトが主催する卒業パーティに潜り込もうと目論むも
ここで幾つかの騒動が。

わけても着きたい場所になかなか行けない展開は
本人達にとっては悪夢でも観る側には爆笑モノ。

Uber」等の時代らしい背景も盛り込み、
学園の教師達の普段とは異なる側面も見せながら笑いの連続。


高校最後の夜に弾けまくる算段で、
色々と思い描いてはいたものの、
現実はさほど甘くなく、すれ違いの連続。

しかし、見えていなかった級友達のプロフィールを認識し、
いいことも悪いことも含め、甘美な思いが溢れ出す。

この一連のシークエンスは
他の映画と同様、胸にぐっと迫るものがある。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


ただやはり残念なのは、
米国のイマイマの世情や風俗に通じてない我々には
面白さの半分も理解できていないだろうこと。

現在の、或いは各年代の日本で、
本作に肉薄する一本はできないものかしら。