正式タイトルは
”九州産業大学大学院 芸術研究科 写真・映像領域 作品展”。
しかし出展者四人の名前を見ると、
何れも中国籍と思われる。
九州と中国の、地理的な距離の近さによるものだろうか。
その中で目に留まったのは『曾翔宇』の〔幻の帝国〕。
ちなみに同人は「大連医科大学」卒業とのことで
経歴も異色。
並んでいるのは彼の出身地である「大連」のイマイマの景色と
1930年代に「満州国」が在った時の写真を重ね合わせたもの。
過去の遺蹟がそのまま残っている場合もあれば、
新たな建物に立ち替わっている場合もある。
キャプションにはその場所の由来も示され、
ある意味、戦前・戦中の記憶が生々しく甦る。
随分と以前に
嘗て1930~40年代に「大連」に住んでいた人と話したことがあるけれど、
彼等・彼女らの心情は世界的な道理からは到底受け入れられないもの。
要は、自分達が刻苦して打ち立てた文化都市を奪われた、との
強い思い。
そのことを思い起しながら歩を進める。
当然の様に複雑な思いが沸き上がって来る。
会期は~11月4日(木)まで。