封切り三日目。
席数290の【CINE4】は一席空けての案内なので
実質145席。
その二割ほどが埋まっている。
真偽のほどは判らないが、
血中のアルコール濃度が0.05%の時に
人はベストパフォーマンスを発揮できるとの説がある由。
もっともその言を吐いたのが哲学者らしいことからして最早
眉唾っぽい、エビデンスも示されないし。
ところが本作の四人の主人公たちは
いい歳をした大人、それも同じ高校の教師同士との分別が必要な立場にもかかわらず、
言い交し、当該説の確からしさを証明する「実験」を始める。
数多の偉人たちが飲酒の結果、成果を遂げたとの
都合の良い事実を並べ立て。
それは四人とも、イマイマの生活に閉塞感を持っていたからかもしれないが。
最初は思惑通り、コトは上手く運ぶ。
特に行き詰まりを感じていた授業がスムースに運ぶようになったのは
望外の成果。
しかし物語の舞台は、十六歳からの飲酒が合法化されている国。
若者達ですら酔って狼藉をはたらくのは冒頭のシークエンスで示される通り。
ましてや白人はアルコールの分解酵素が揃っている割合が高い故に、
却って中毒になる人間も多いと来ている。
次第に「実験」は、アルコール濃度を上げる方向にエスカレーション、
その先に待っていたものは・・・・。
アメリカだと、血中アルコール濃度が0.08%以上で車を運転すると
違法とみなされると聞く。
なので当初目指した値はぎりぎりセーフ(なのかな?)。
しかし、原題はそのものずばりの〔DRUK〕。
ただの酔っぱらいと化した彼等には
四様の結末が用意されつつも、
ややの説教臭さが見え隠れするエピソードは少々鼻につく。
同じく酒にまつわる失敗を描いた作品でも
〔ハングオーバー!シリーズ〕ほど能天気ではなく
(男同志の友情との共通項はあるけれど)、
〔ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年)〕ほど荒唐無稽でもなく、
〔酒とバラの日々(1962年)〕ほど哀切を帯びてはいない。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
恒常的に嗜む側から言わせてもらえば、
最後のシークエンスがやはり飲酒の最大の眼目とも思える。
節度をもって楽しめば、酒は百薬の長。