RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

昭和100年記念 昭和の駅風景@鉄道歴史展示室 2026年8月20日(木)

今年に入って標題館では「百」を寿ぐ企画が
何度か開催されている。

タイトルにある通り「昭和」も起算し百年だし、
それ以外にもなにかと節目の年であるよう。

 

 

並んでいる写真は(ほぼ)モノクロームも、
必ずしも百年前に撮られたものではなく、
あくまでも昭和の駅の風景をとらえたもの。

自動ではない改札、蒸気機関車、
駅で働く多くの人々、大きな荷物を抱え集う御母さんたち。

今ではとんと見なくなった情景も、
自分が幼い頃にはまだまだあったし、
カタチを変えて残っているものもある。


そうした想いを持つのも、
自身がある程度の歳に達したからかもしれない。
所謂、「郷愁」というヤツだろう。


会期は~11月23日(月)まで。

束芋画 国宝@ポーラ ミュージアム アネックス 2026年8月20日(木)

後期は8月11日(火)~30日(日)。

エレベーター脇のボードにも
その旨の告知が貼られている。

 



展示のされ方は前回と同様。

なので端から端まで丁寧に、
ゆっくりと歩を進めて観る。
今回も、映画のシーンを思い起こしながら。


入場者数も先月より多くなっている印象。
目立つ告知方法が効いているかも。

後から来た何組もが、自分を追い越して行く。


一筆書きのような軌跡で観終え、
満足の息をつく。
やはり前期と同様に。

「写真伝来|写真大国ニッポンのはじまり」@FUJIFILM SQUARE 2026年8月10日(月)

【写真歴史博物館】での展示。

そのタイトルからは、どんな内容かは判然とせずも、
まぁ、行ってみれば判るだろう。

 

 

展示は予想したものとはかなり違っており、
パネルでの説明が過半。

写真の黎明にさらっと触れ、
以降は日本での普及状況にだいぶんのスペースを取る。

とは言え、デジタル化以降の直近の状況説明は過少で、
企業メセナらしい側面を臆面もなく表に出す。


並んでいる写真の多くは、過去にも同所で観た記憶のある、
お馴染みのもの。

本邦での江戸末期以降の推移は、
取り立てての新機軸はない。

どちらかと言えば、夏休みの自由研究のアシストとの側面が
強く見えてしまう。


反対側のスペースに置かれている資料類にも
丁寧に目を通す。

ショーケースの中の展示物は、
通常より充実しているように感じるのは気のせいか(笑)。


会期は~9月17日(木)まで。

オークストリートの異変@109シネマズ川崎 2026年8月15日(土)

封切り二日目。

席数89の【シアター8】の入りは九割ほど。

 

 

鑑賞時点の本国での評価は
「IMDb」6.6
「Metascore」68
なかなか微妙なライン。


『プラット』一家が住む「オークストリート」が
街ごと「中生代」にタイムリープしてしまう。

今から約一億年前の地球は恐竜が闊歩する時代。

街の人々は凶暴な生物たちの中に放り出され、
対決を余儀なくされる。

勿論、『プラット』家も例外ではない。
一家がどうやって過酷な環境を生き残るのか、そして
元の時代・場所(1980年代前半のアメリカ)に戻れるのか?の
ストーリー。


本作での新機軸は
タイムリープした跡がどうなっているか、を示したこと。

一連の出来事を場所や環境の等価交換と定義。
ある場所がまるっと過去に移動したのであれば、
現代には過去の同じ場所が移ってきている、と明示した。

その仕掛けが、幾つかの伏線の回収に効いている。


本編の尺は百分程度。

なので夫婦間の諍いや、
子供間の虐めの問題などは俎上には乗るものの、
深く立ち入ることはない。

とりわけ後者はとって付けたような挿話で、
何のために?と首を傾げてしまう。


{タイムリープ}モノの常として、
本作でも「タイムパラドックス」はある。

うち一つは看過できぬ流れも、
その後を描かぬことで、上手く処理をしている。

もう一つは、大団円でまぶし、
鑑賞者の考えが及ばぬように動線を引く。

なかなか、上手い造りと
感心してしまう。


ほぼほぼ徒手空拳で巨大な恐竜に挑む、との
アイディアも面白い。

銃社会のアメリカではあるが、
並みの武器で強大過ぎる敵に対峙する無謀さを
しっかりと描いている。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


登場する恐竜の形態や習性は
最新の研究結果を反映しているよう。

とは言え、少しの異変が大きな騒動に繋がる流れや
じわじわと恐怖を煽るような見せ方は、
類似の過去作と同様。

最後のエピソードも含め
既視感が満載。

折角、新しい見せ場を出してくれたのに
勿体ないことしきり。

 

若きル・コルビュジエの旅@東京藝術大学美術館 陳列館 2026年8月11日(火)

 

1887年生まれの『ル・コルビュジエ』が
二十代前半に欧州各国を歴訪した際のスケッチを
高精細の複製画で展示。

添えてあるQRコードを読み取れば、
現在の情景と対比可能な作品も。

壁には主宰者等の挨拶と併せ
作家が歩んだ長い道のりを地図に落とし込んだパネルも展示される。


この頃の欧州は1914年~の「第一次世界大戦」を前に、
既にきな臭さが漂っていたのでは?

作品はそれを感じさせない
作家個人の興味が見て取れる。


ギリシャのアクロポリス等の
有名な建築物があるかと思えば、
街中の建物もあり。

今なら、写真に収めるところだろうか。
関心の向くまま、対象を記録する。


会期は~ 8月16日(日)まで。

ゴースト・オブ・ウエノ@TOHOシネマズ上野 2026年8月11日(火)

封切り五日目。

席数103の【SCREEN6】は満員の盛況。

 

 

本作はロケ地となった上野に在る映画館で観る。
場所柄もあってか館内は満員の盛況。

ちょいと足を延ばせば「東京都美術館」、
「藝大」や関連施設の「es」も在り、
個人的には馴染みの土地。

「竹の台広場(噴水広場)」では
しょっちゅうイベントが開かれ、多くの人で賑わってはいるが、
直ぐ近くの「旧東京音楽學校奏樂堂」の傍では
団体による炊き出しや物品の配布も行われ、
これまた多くの人たち(本作で見られるような)が集っている。

異なる猥雑さが混交し、なんともカオスなエリア。
そうした場所でどんな物語りが紡がれるのか。


随分と昔に耳にしたようなタイトルではある(笑)。
とは言え、作品の方向性はまるっきり異なる。

ホームレスの『ゴージョー(原田文明)』が
ねぐらにしていたテントの中で亡くなっているのが見つかり、
遺品の整理に向かったソーシャルワーカーの『サツキ(門脇麦)』は
そこで日記を見つける。

彼女は残された日記の内容を手掛かりに
同じホームレスの『トシ(竹中直人)』と共に
『ゴージョー』の身元を追う。


関わりのあった幾人かに話を聞いても、
彼の人となりも過去も杳として判然としない。

『サツキ』の探索は業務の範疇を越えて行われるが、
それには彼女なりの理由がある。

『トシ』の記憶を頼りに、
嘗て住んでいたと思われる地方に向かうが
それも空振りに終わる。

万策尽きたと思われたタイミングで
予期せぬ情報が共通の知己からもたらされる。


『サツキ』然り『トシ』もまた然り、
主要な登場人物はなにがしかの喪失感を抱えており、
それを埋めることが行動原理となっている。

ましてやホームレスの人たちは、
空白を満たすことへの執着の度合いは強いだろう。

ある者は食べ物、
またある人は捨てたり断ち切ったハズの人との関係性であったり。


最後の挿話で、
予想だにしない事実が提示され、
『サツキ』は(観客も)言葉を失う。

もっとも『トシ』にとっては
自身の心の隙間を埋める
一つの手段だったろう。

事実を知らされても、
『サツキ』の気持ちは何ら変わらない。

これからも日々は、ただ流れるように過ぎていく。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


やはり失踪がテーマの〔砂の女(1964年)〕とは
異なる方向性。

とは言え、なにかしらに執着することは
通底するカギと思われ。

たとえそれが虚構であっても、
人が生きて行くよすがとなる。

 

星野道夫写真展@FUJIFILM PHOTO SALON Space1/2/3/MINI GALLERY 2026年8月10日(月)

【写真歴史博物館】以外の全てのスペースを使い開催中。

 

館内は多くの人で賑わっており、
ほぼほぼが中高年の女性。

タイトルに
”NANOOK ホッキョクグマ 氷原の静かなる物語”とあるように、
被写体は白いもふもふなので、
夏休み中のお子達が多いのかと思ったらそうでもなさそう。


作者の『星野道夫』は1996年に
ロシアで羆に襲われ、43歳の若さで亡くなっている。

本展を観ると、
身を隠す場所もない雪原で、
白熊を写している作品が多いのに驚く。

使用機材もそれなりだろうが、
これほど大写しにするには
どれだけ危険を冒し近接したのだろう。


とは言え、被写体からは
野生の獰猛さは感じられない。

あくまでも、もふもふの塊で、
触ればごろごろと喉を鳴らしそうにも見える。

とりわけ子熊はそうした外見。
ころころとして、
見た目からは野生の厳しさを感じられない。

もっとも、そうした作品を
敢えてセレクションしているのかもしれないが。


会期は~8月13日(木)まで。