RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

あの頃。@TOHOシネマズ日本橋 2021年2月20日(土)

封切り二日目。

席数290の【SCREEN8】の入りは三割ほど。

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てっきり映画オリジナルかと思っていたら
コミックエッセイの原作ありモノだったのね。

著者は『劔樹人』で、本作で『松坂桃李』演じる主人公と同名。

要は作者の体験を基にした自伝的な一本である、と。


ベーシストとしてのバンド活動は上手く行かず、
バイトに明け暮れながら日々を過ごす主人公が
たまたま『松浦亜弥』のMVを見たことから『ハロプロ』に入れ込み
知り合った数人の仲間たちと下らなくも素晴らしい一時期を過ごす。

しかしそれも人生の中では一過性の輝き。
やがて彼等は離れ離れになり・・・・、との
絵に描いた様な(いや、エッセイに書いた様な?)青春クロニクル。


気弱な『劔』を始めとし、
彼以外の五人(のちに六人)の仲間のキャラは相当に立っている。

中でも自身を一番真っ当な人間だと自己肯定し、
時に他の構成員を見下し攻撃的になる『コズミン』は特に。

それをイマイマ乗りに乗っている『仲野太賀』が演じるのだが、
口だけは大きく、それでいて度胸は無い俗物的表現が抜群で、
直近の〔すばらしき世界〕でも感じたことだけど
上手いなと唸ってしまう。


愛すべきヲタ達が繰り広げるのは
相当に濃く、また笑いに満ち溢れるエピソードの数々。

特にそこにリアルな恋愛模様が絡んで来ると
カロリーは一段とヒートアップ。

まぁ過去の同年代だった頃の自分と引き比べてみても、
同じ趣味で集まる同志でも、そんな葛藤はあったとの記憶。

時代が違っても、近しい世代が集まると
似たことを繰り返す世の習いが描かれているとも言えようか。


評価は、☆満点で☆☆☆★。


一方で気になるのは、挿話間の繋がりがかなりぎくしゃくしている点。
加えて全体的に平板な印象。
エッヂが立っておらず、漫然と流れており、ただこれは
その原作の形式に拠る面が大きいのでは、と。

脚本の『冨永昌敬』は
やはり{青春グラフィティ}モノの〔素敵なダイナマイトスキャンダル(2018)〕の
監督・脚本をしていたと記憶。

原作のセンセーショナルさはさておき、
個人的には同作の語り口の良さに軍配を上げるのだが。