RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

リングサイド・ストーリー@チネチッタ川崎 2017年10月23日(月)

封切り十日目。

席数191の【CINE10】の入りは一割ほどとかなり寂しい。


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本作もやはり『瑛太』、そして『佐藤江梨子』のW主演。

特に前者については同時に公開されている
〔ミックス。〕を裏返したような設定。

撮影時期がどうだったのかは知らないけれど
意識したような科白もあったりするし。


前作の〔百円の恋〕も、やはりボクシングをテーマとしたもの。
武正晴』監督は格闘技関係にそれなりの思い入れもあるのだろう。

なので本作、70年代以降のプロレスを中心とする格闘技の知識があればあるほど
楽しめる趣向とはなっている。

しかしそれは実際には余禄。

主役二人の人間関係の成り行きがオハナシの主線。


夢ばかり語り、たいした努力もせず
過去のほんの少しの栄光にすがる役者のタマゴ(にも成りきれない)
『村上ヒデオ(瑛太)』は同居する『江ノ島カナコ(佐藤江梨子)』に
物心共に依存し、ヒモ同然の毎日を過ごしている。

口だけは達者で、屁理屈も堂に入っているのが小憎らしく
腐った男の見本のよう、なんで『カナコ』はこんなヤツと一緒に暮らしているのか、と
義憤を持ちつつも、以外と周りには、こんなケースが多いんじゃ、などとも思う。


人員整理により失職した『カナコ』は
『ヒデオ』のいい加減な思い付きにより、
ひょんなことからプロレス団体に就職することになるのだが
そのことが以降のてんやわんやに繋がる。

しかし其処でも『ヒデオ』は持ち前のヘタレさ加減を存分に発揮、
酒場だけのヒーローで、良いのは威勢だけ。ダメダメさが前面に出て
観ている側がとことん情けなって来るのだが・・・・。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


2007年封切りの映画〔黒帯〕では、
実際の空手家に演技の訓練をさせ出演させたことで
迫真の格闘シーンを生んだ。

それを踏襲するように本作でも
現役の選手をこれでもかと言うくらい並べている。

それにより、試合のシーンが並々ならぬ出来だし、
台詞回しにしたってそれほどヒドくはない。

この手法、なかなか悪くないかも。