ハイカラ-覚醒するジャポニズム-＠東京藝術大学大学美術館 陳列館 2015年5月5日(火）

無茶苦茶、期待を持たせるタイトルだよなぁ。
副題にも「ボストン美術館スポルディング・コレクション」とあるし。

でも実態は、一階で浮世絵を題に取った映像が二本流され、
二階には確かに浮世絵が並んでいるいるものの、何れも複製。
「スポルディング・コレクション」を原版にしての作品らしく
その為に、このタイトルが付いたと。ちょっとがっかりだ。

ただ、複製のされ方は興味深く、
原画を意図的に１０５％に拡大し、再作成していることで
顔を近づければ、版木の模様がそのまま画面に生かされていたり、
強く擦られたことで凹凸ができ、例えば肌に肉感的なボリュームが出るのに
効果的だったりと、摺られた往時の状態を体感できるのは
またと無い機会。

また
「うつし」とし、制作されたままの鮮やかな色調のもの
「うつろい」とし、経年劣化が進んだくすんだ色調のもの
両方を並べて展示しているのも面白い。

更には５００％に拡大された
〔神奈川沖浪裏〕の波とか
〔大はしあたけの夕立〕の線の様に走る雨とか
〔日本橋〕を歩く商売人達の顔とか
複製技術が最新なので、これだけ拡大しても
ちっともぼやけてないし。

どちらかと言えば、イマイマの技術を体感する場なのかもしれない。
会期は～5月13日（水）まで。