封切り七日目。
席数89【シアター8】はほぼほぼ満員。
冒頭カメラはその決まりきった手順を丁寧に追う。
仕事に向かう前の幾つかの所作は、端々に彼なりの美学が見え
生活の全てが創作の為に捧げられているのだということが理解できる。
生活の全てが創作の為に捧げられているのだということが理解できる。
彼の周囲の人間、特に姉の『シリル』はそれを良く弁え
けして流れを乱すことの無いよう振る舞う。
けして流れを乱すことの無いよう振る舞う。
また『レイノルズ』は芸術家にありがちなミューズの信奉者でもある。
時々に応じて自分の創作意欲を掻き立てる女性を誂え、
しかし必ずしも性的な要求はないので
次第に男女間の意識の乖離は大きくなる。
しかし必ずしも性的な要求はないので
次第に男女間の意識の乖離は大きくなる。
色々とコンビニエンスに使えれば尚良い、程度の算段な訳で
インスパイアされなくなってしまえば新たなミューズを見つければ良い
世に妙齢の女性は数多居るのだから。
インスパイアされなくなってしまえば新たなミューズを見つければ良い
世に妙齢の女性は数多居るのだから。
そこにモードの流行との共通項を見出し
ちょっと可笑しさがこみ上げて来る。
ちょっと可笑しさがこみ上げて来る。
なのに、新たなミューズとして見出した『アルマ(ヴィッキー・クリープス)』は
過去の女性たちとは一風違っていた。
過去の女性たちとは一風違っていた。
『レイノルズ』のスタイルは一貫性があるようで
その実態は違っており、
時々に応じて我儘を都合の良い様に使い分けているだけに見える。
その実態は違っており、
時々に応じて我儘を都合の良い様に使い分けているだけに見える。
そしてそれに『アルマ』が次第に適応したり外したりするエピソードの作り込みが
映像による説明だけでも観客に伝わるようになっており
うーんと唸ってしまう。かなり巧いかも。
映像による説明だけでも観客に伝わるようになっており
うーんと唸ってしまう。かなり巧いかも。
そしてあることを契機に
『レイノルズ』の生活に新たなルーチンが加わるのだが、
彼はそれを甘んじて受け入れたように見える。
『レイノルズ』の生活に新たなルーチンが加わるのだが、
彼はそれを甘んじて受け入れたように見える。
そうすることで得られるものは何か。
うち一つは、彼が過去、全く関心を払わないものであり
もう一つは創作そのものに資するもの。
もう一つは創作そのものに資するもの。
ただ『レイノルズ』の変化に明確なメルクマークがないので
理解はできるものの、
主客の転倒の過程に、ややの隔靴掻痒さは残る。
理解はできるものの、
主客の転倒の過程に、ややの隔靴掻痒さは残る。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。