RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

レディ・バード@TOHOシネマズ川崎 2018年6月1日(金)

本日初日。

席数147【SCREEN2】の入りは七割ほど。


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シアーシャ・ローナン』、いい女優さんだと思う。

初々しい〔ラブリーボーン〕よりも
ちょっと背伸びをした〔ブルックリン〕よりも
作品の出来はさておき〔ハンナ〕での人物造形が好きだったりする。


そんな彼女の本作での役柄は
反抗期真っ盛りの高校三年生。

でもその対象は地域社会と
気性が似通っている自身の母親に主に向けられる。

生まれ育ったサクラメントや家庭が窮屈で仕方がないのだ。


弁は立つし頭脳もそこそこ明晰ながら、これをしたいとの明確は目標はないのに
故郷は漠然とダサく、都会は何となくカッコ良いモノ、
日本の大学生にもありがちな完全なモラトリアムタイプ。

何年か前にヒットした新書の帯の惹句を思い出す。

「俺はやるぜ!」
「何を?」
「何かを」

って(笑)。


主人公の『クリスティン・マクファーソン(シアーシャ・ローナン)』は
元々の名前ではなく『レディ・バード』と呼ばれることに固執する。

それは地域からの飛翔を意図してのことかもしれない。


本作はそんな『クリスティン』の高校最後の一年を、幾つかのエピソードを重ね
丁寧に追う。

その中で我々は彼女が抱える葛藤の一端を知ることになる。

自分の生まれた街が、自分の通っている高校が、
自分の家族が、自分の友人達が、何故にこうであるのか、
その何れもが自身では選択できないものであるが故に腹立たしいし
怒りのやり場がない。


あ~、あったよね~、こ~ゆ時期。

今からすれば青い悩みも当時であれば切実。
数十年前の自分であれば、もの凄く共感できたろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


しかし周囲の彼女を見る目はまた少し違っているし
その一年の経験で本人も大きく成長する。

特に、思っているほど、サクラメントって街は
大多数のアメリカ人には歯牙にも掛からないんだろうね実際。

それって何処さ?みたいな。