RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII@チネチッタ川崎 2018年6月2日(土)

封切り九日目。

席数191の【CINE10】の入りは七割ほど。

客層は中高年の女性が圧倒的。
それも個人ではなく集団での来場が多い。


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平穏な日常に突然波風が立ち
ひと悶着あって、しかし結局は元の鞘に納まる。

{寅さん}でならした『山田洋二』監督にはお手の物のプロット。

本来であればプログラムピクチャー的な素材を
上手く膨らませることで単独モノに仕立て上げている。


題材自体も家族の問題としてカレントだし、
どう料理するかの手腕が問われるところ。

何れにしろ、過去の二作品を含め
世の男性方は身につまされることが多いんじゃないか。

かく言う自分も例外ではない訳んだけど。


ではあるものの、いざコトが起きた後の 平田家 の男性、
特に家長の『周造(橋爪功)』と
長男の『幸之助(西村雅彦)』は、態度の幼児退行が甚だしい。

普通、こんなガキの様な反応にはならないよと思いつつ
意図的なデフォルメなのだと理解する。

加えてもう一つ、普段の生活態度も含め、これほど
ザ・昭和 な亭主や家庭がイマドキあるもんかい、と思った時に
ああそうなのか、と思い至る。


本作はあくまでも先に挙げた客層に向けての癒しなのだ、と。

舞台は現代でも登場人物は昭和の意識を持った人たち。

観ている彼女等は自身の過去の体験に重ね合わせて
そうよね、と頷き、
ほんとに、と留飲を下げる。

主だった客層に向けてのマーケティングがしっかりとできているわけだ。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それなりに好評なのだろう、このシリーズ。
オープニングから次回作があることの予告がされている。

もっともそれは、最後まで観終わった時に
なるほど と気付く仕掛けではあるのだが。