RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

コンフィデンスマンJP 英雄編@109シネマズ川崎 2022年1月15日(土)

封切り二日目。

席数349の【シアター6】の入りは七割ほど。

直近では例によって「CX」が過去作の放映等で
散々と煽りを入れているのだが、思いの外
盛況とはなっておらず。

オミクロン株の影響もあるのかなぁ、と
思ったりもする。

 

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劇場一作目ではまんまと騙され、
これはいかんと二作目の鑑賞前には
煽りで放送されたテレビシリーズで散々復習、
ほぼほぼ読めたぜ、と
ほくそ笑んだのだが、はて鑑賞者として
これは正しい向き合いかと疑問に感じたのも事実。

頭を空っぽにして、虚心坦懐に向き合い、
繰り広げられる騙し・騙されを受け身で楽しみ、
最後のタネあかしでアッと驚く、
これが正しいスタンスなんじゃないか(笑)。

なので今回は初心に戻り、ある種
虚心でスクリーンと向き合ったのだが・・・・。


でもやはり、そうした向き合いは自分には合っていないよう。
冒頭のシークエンスで、もはやニヤリと含み笑いをしてしまう。

その後の展開も、シチュエーションは違えども、
過去の同作からのセルフオマージュや
{コン・ゲーム}の名作からのコラージュで
既視感のある場面の連続となる。


もっとも、構成の複雑さは過去一番。

物語の流れに身を任せる中で、随分と早い展開だなぁ、
尺の半分も来ていないだろうに、ここまで進行させて良いのか、との疑念は、
後々に準備された驚きの結末への序段の仕掛け、
こりゃ~練り込まれた脚本だと、思わず吐息を漏らす。

わけても
義賊が誘拐をする?との一種の反則行為に
疑念を持つか持たぬかで
推理が大きく分かれる構造は
観る側を完璧に欺く素晴らしい造り。

加えて、物語の山場での圧倒的な矛盾、
世界を股に掛ける詐欺師が、
そんなことで騙されるか?との冷笑にも
ちゃんと答えを(科白表現ではあるけれど)用意する周到さ。


一方でエピソードを盛り盛りにしたため、
タネ明かしのパートでは性急さも感じる。

ただこれは、スピーディーさとの兼ね合いなので
難しいところだが。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


お約束のエンドロール後の
オマケエピソードの楽しさと共に、
本編中にも『三浦春馬』『竹内結子』をリスペクトで登場させる
優しさも併せ持つ。

その代わりと言っては何だが、
新たな仲間を引き入れ、その活躍が
今回の面白さの鍵となっているのは間違いのないところ。