RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

サニー/32@109シネマズ川崎 2018年2月18日(日)

封切り二日目。

席数89の【シアター8】の入りは八割ほど。
客層は女性が極端に少なく、九割方が男性客。

そして、ちょっと偏見が入っているかもしれないけど
オタっぽい人が多い印象。


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男性や女性に関係無く、アイドル事情にはとんと疎いので
主人公を演じた『北原里英』が「NGT48」のメンバーであることを知ったのは
観終わったあとのこと。

エンドロールでスーパーバイザーとして
秋元康』がクレジットされていたことが気になって調べた結果。

ロケ地が新潟であることの縁や先の客層の背景が
ピンと一本に繋がると共に彼の存在がどの程度
映画の内容に影響しているのかが気になるところ。


冒頭のエピソードから
実際に起きた事件に着想を得たモノだと
直ぐに見て取れる。

それに社会を賑わせた他の実際の出来事を付加し膨らまし
一つの物語として仕立てている訳だが、
観ていてどうにも居心地が悪い。


幼くして殺人を犯した少女が「美」の付く容貌であったため
素性がネットで拡散、
十数年経った今でも信奉者が居るのは確かにありアリ。

彼女を偏執的に追いかける存在が複数いるのも
今のこの時代では頷ける。

暴走して拉致行為に到るまでもね。


しかしその後の展開が相当に嘘くさい。

思わぬ方向にストーリーが転がって行く
膨れ上がって行くのは善しとしても、それに至る
細部がきちんと造りこまれていないので
余計にそう感じてしまう。

えっ!なんでそんなことが出来てしまうの?
そうなってしまうの?って。


一例として、警察の諸々の行為を挙げよう。
緊急の場合でも、いきなりカラダの真ん中を狙って発砲する警官が何処にいるんだよ?

あとドローンのペイロードとか。荒唐無稽にもほどがある。

こういった一種の寓話こそ
ディテールはきちんとして欲しいもの。


そして終り方もまた良くない。

イマドキの子供達が抱える問題を
社会の諸々の人間関係のしがらみを
指折り挙げてはいるものの
ぽ~んと放り出すように扱い
何らの救済も示さず
薄っぺらになぞっただけで終わってしまう。

これはあんまりだろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


見る側にとっての唯一の救済は
中途から登場する『門脇麦』の存在。

何年経っても報われない拠り所の無い
絶望感に満ちた存在を激情と共に演じて秀逸。