RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

グレイテスト・ショーマン@109シネマズ二子玉川 2018年2月19日(月)

封切り四日目。

席数155の【シアター1】の入りは九割ほど。


冒頭、お馴染みの「フォックスファンファーレ」と共に
「20世紀フォックス]のロゴが流される。
が、これは数十年前の仕様のもの。

その後、画面は白黒になり直近の仕様のものが再度流される。


シン・ゴジラ〕でも使われた手法だけれど
最近の〔アーティスト〕や〔ラ・ラ・ランド〕でも顕わになった
ウエスト・サイド物語〕で変にねじ曲がってしまった{ミュージカル}を
昔の古き良きものへと引き戻そうとする決意の現われと
勝手にここでは解釈してしまおう。


イメージ 1



映画の舞台となるサーカス自体については
65年も前に〔地上最大のショウ〕として映画化されている。

で、本作は、その創始者である
『P・T・バーナム』にスポットライトを当てたもの。

実際は相当に胡散臭そうな人物だけど
此処ではフリークスや肌の色の違いを気にせず接する
偏見の無い人間として描かれている。

もっともそうでないと{ミュージカル}は成立しない。


ヒトを楽しませる為であれば
ホンモノだろうがキッチュだろうが分け隔てなく扱う
『バーナム(ヒュー・ジャックマン)』が
一度だけ心が揺らぐ瞬間が。

それはスウェーデンの歌姫『ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン
実際のパフォーマンスはローレン・アレッド』の声に対峙した時で
このシーンの歌声は確かに圧巻。
観ていて聴いていて鳥肌が立つほど。

またそうでなければ、彼が真正の価値に気付くことにはならないだろうし。

そしてそのことが、彼があれほど毛嫌いしたスノッブ
自身も引き寄せられる引き鉄に。

それでもやはり彼は、自分の創ったサーカスに
そして家族に戻って来る。


お決まりのストーリー展開ではあるけれど
その陳腐さを凌駕するほど、本作での楽曲は素晴らしい。

同じチームで作った〔ラ・ラ・ランド〕のそれを
軽く超えて行く。

ただ一方で、ダンスシーンは相当に不満。
カットを割り過ぎてダイナミックスさに欠け過ぎ。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


観ている間中、『金子みすゞ』の詩の一節が
頭の中でリフレインしていた。

「みんなちがって、みんないい」。