RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

サクラダリセット 後篇@TOHOシネマズ錦糸町 2017年5月14日(日)

封切り二日目。
席数113の【SCREEN8】の入りは七割ほど。


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傑作とか駄作かとは関係無く、
どうにも記憶に残ってしまう作品が有る。

本作の〔前篇〕
まさしく、それ。
勿論、出来はさほど良くはない。

その後も、幾つかの引っ掛かりの有るエピソードを
何とはなしに反芻していると、
やはり整合性が取れていないコトが確信され、
更にそれが記憶を補強してしまう悪循環。

生涯にわたり忘れ難い一本に(いや二本か)になってしまうかも。


で、後篇では、いよいよ「管理局」の企みが顕になるものの、
それがどうにも個人の恣意的な思いに収斂しているので、
組織全体の総意とは、とっても思えない恨みがまずある。

要は「咲良田」の街をリセットしてしまいたいわけで、
それを阻止する側=『浅井ケイ』との争いになるわけだが、
させまいと守る側の理屈がたいした理論立てになっていないので
まるっきり感情移入できないのも辛い。

どう考えても「管理局」の『浦地正宗(及川光博)』の言い分に
分がある訳だ。

「咲良田」と言う狭い世界でサンクチュアリが体現できれば、との『浅井ケイ』の思想には
アメリカ・ファースト」を声高に唱えるどこぞの大統領同様
全くシンパシーを感じられない。


そして今回もまた、ご都合主義の辻褄合わせが満載で、特に
どうにも看過できない筋立てが二つ。

うち一つは、物語りの帰趨を決する重要な場面で語られるので、
途端に「え~っつ!!!」となってしまった。

能力のコピーは、発動者が媒介として触れていないと機能しない、と
言った舌の根も乾かぬうちに、真逆のカタチで提示されるものだから
もう開いた口が塞がらない。

正直「ひで~~~」と思ってしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それでも鑑賞者としては前作ではあまり出番の無かった
平祐奈』の出演シーンが多いので善しとする。

彼女が出演した直近の数作は、何れもほぼ同じ年代を演じているものの、
人物の演技分けがきちんとできているため、
違ったプロフィールを幾つも観ることができるのも
嬉しい余禄。