RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

未来を花束にして@TOHOシネマズシャンテ 2017年1月28日(土)

封切り二日目。

席数224の【CHANTER-1】の入りは満員で盛況。


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今から百年前のイギリス。女性の参政権は認められておらず
また、それを代表例として女性の社会的地位は低いまま、
教育を受ける機会も無く、
自分の母親や祖母・曾祖母がそうであったと同じ境遇に
生まれ、そして死んで行く。

そうした事に異を唱えた『エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)』は
実在の人物。
また、新しい社会の実現の為に
(文字通り)身を投げ出した若い女性も実在の人物。


最初は自分には無関係と考えていたものの
次第に運動の渦中に身を置くことになる『モード・ワッツ(キャリー・マリガン)』は
創作の人物ではあるものの、おそらく往時の女性達が体験した艱難辛苦を
一身に背負わされた役回り。

働いている工場で、或いは家庭で
次々と不条理な事態に直面する。

運動に前のめりになって行く過程がやや性急に過ぎ、
また心理的描写が不足していたり
周囲との軋轢のエピソードがあっさりな瑕疵はあるけれど
ヒロインの強い眼差しに引き込まれ、それも次第に気にならなくはなる。


男達は人口の半分を占める女性が参政権を得、
結果、社会に進出することに漠然と怯え、
一方、同じ女性達の中でも急進的な姿勢をあからさまに非難する者が多数を占める。

多くが、そのことがもたらすメリットを想像できず、
現状におもね、小さい既得権にしがみつく。

でもこれは、往時のイギリスに特有の事象じゃないだろう。

何時の時代、或いはどこの国でも普遍的に存在するわけで、
だからだろう、各国別の女性の参政権が成立した年度がエンドロールで示される。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


翻って今の日本を見ても、
同じようなコトが度々起こっているんじゃないかと、
この国行く末にもかなりの不安を覚える。