RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

罪の余白@TOHOシネマズ錦糸町 2015年10月14日(水)

封切り二週目。
席数159の【SCREEN3】の入りは五割ほど。


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方や、愛憎半ばする娘の生死を探る、
方や、娘が亡くなった理由を探る、が
夫々の主題なので違ってはいるけど、
半ば狂気に取り付かれたような父親の描写は
これと似た印象を受けてしまった。


妻を早くに亡くし、男手一人で育てて来た娘が
学校のベランダから転落死する。
事故と自殺の両面から捜査を進めた警察の結論は事故死。

しかし、観客の側は
彼女が何故その局面に追い詰められたかを知っている。


あるコトがきっかけで、娘の日記を読んだ父親は
二人の女子高生が事件に関与していることを確信し、
執拗に付け狙う。

この一連の行動描写は、殆どストーカー並で、
とても共感することは不可能。

言い方は悪いけど、視点を変えれば
いい年をした大人達が、いたいけな女子高生を
よってたかって糾弾している図、に
見えなくもない。


父親である『安藤(内野聖陽)』は大学で心理学を教えているという設定。
もう一人のキーマンである同僚の『小沢(谷村美月)』も同様。

その二人が、劇中では
美人で頭が良いと表現される女子高生『咲(吉本実憂)』に
良いように手玉に取られる。
納得感の欠片も無い。

一方、その『咲』はと言えば
海千山千のビジネスパーソン
あっさり言い負かされてしまう。

二面性の描写かもしれないが、
不自然さは否めない。

また、彼女が罪の意識を持たない
人を操ることに恍惚感を感じる
所謂人格的に欠損していることも度々言及されるが、
先の事例も観ているので違和感がふんぷんとする。


二人が対峙する場面でも
常に優位に立つのは『咲』であり、
自分の得意分野を持って局面を打開するのかと思えば、
これかよ、と言う驚愕の仕掛けありきなのが
一番のがっかり。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


直近の犯罪報道では、黙秘であるとか否認であるとか
「身に覚えがない」といった容疑者の反応が高頻度で報告され、
一方で、その後はどうなったのかが、とんと聞かれない。

こういった風潮が、犯罪を助長している側面は
アリやナシや?