監督の『中島哲也』、なかなかの慧眼だったと言うことか。
なのでそんな彼女に「○○さんのことが好きなんです!」などと言われようものなら
即座に舞い上がってしまい、
「えっ、頭髪の薄くなった、下っ腹の出た、冴えない初老のおぢさんでもイイんですか?」と
念入りに確認を取ったのち、逐電することもいとわない。
即座に舞い上がってしまい、
「えっ、頭髪の薄くなった、下っ腹の出た、冴えない初老のおぢさんでもイイんですか?」と
念入りに確認を取ったのち、逐電することもいとわない。
なのに本作の風采の上がらないファミレスの店長『近藤(大泉洋)』と来た日には・・・・。

封切り二日目。
席数345の【シアター6】の入りは七割ほど。
先に挙げたもんもんとした妄想を抱いたおぢさん達が
大挙して押し寄せるだろうと想定していたら、
意外や女性も半数ほど、年代も若めに振れている。
大挙して押し寄せるだろうと想定していたら、
意外や女性も半数ほど、年代も若めに振れている。
ちょっと吃驚だ。
傍目には優柔不断に見えても、これが正しい態度なのだろう。
幾ら可愛い女子高生に言い寄られても、そこはそれ
大人としての良識が先に立つ。
大人としての良識が先に立つ。
『あきら』の想いは、
自身が直面する課題に正対できないことからの逃げとも最初は映るが、
それはどうやら違うよう。
自身が直面する課題に正対できないことからの逃げとも最初は映るが、
それはどうやら違うよう。
また、一途な彼女の想いを、真正面から受け止めることもできず
かと言って身をかわすわけではなく、扱いあぐねている『近藤』だが
彼自身も心の奥底にわだかまるもやもやがあり、
それが自己評価を著しく低くしているのはおいおい語られること。
かと言って身をかわすわけではなく、扱いあぐねている『近藤』だが
彼自身も心の奥底にわだかまるもやもやがあり、
それが自己評価を著しく低くしているのはおいおい語られること。
やがて二人は、会話を重ねることで次第に心が通じ合う。
この一連の描写がどうにも微笑ましい。
互いが触媒となることで、
乗り越えねばならない障壁が氷解して行く一連のエピソードは
安易に流れたきらいもあるけれど、
中年のおぢさんにとって、そして女子高生にとっての御伽噺。
乗り越えねばならない障壁が氷解して行く一連のエピソードは
安易に流れたきらいもあるけれど、
中年のおぢさんにとって、そして女子高生にとっての御伽噺。
親子ほども歳の離れた二人が
互いに認める導師となる流れは上出来。
互いに認める導師となる流れは上出来。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
観終わった後はタイトルが示すかの如くの清涼感。
ただ、空を見上れば、まだ一粒二粒の雨は落ちて来るようだが。