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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ソロモンの偽証 前篇・事件 @チネチッタ川崎 2015年3月23日(月)

封切り三週目。
席数107の【CINE 1】の入りは三割ほど。
春休み故か、若い人達の姿を
ちらほらと見かける。

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二時間の尺を使い、観客の前に展開されるのは
次作に向けた壮大なイントロダクション。

原作の単行本は「事件」「決意」「裁判」の三部だて。
忠実に映画化していれば、直近では未聞の三作構成になってしまう。
※実現すれば2008~2010年の〔20世紀少年〕以来だったんだがな。

なので〔前篇〕では「事件」のあらましと
主要な登場人物の関係性が粛々と描写される。


主役の少年・少女達は基本オーディションで選定され、
本作が初の出演という者も少なくないという。

ためであろう、脇を固める大人達には、
演技ができる役者をがっちりと配しバランスをとっている。

とは言うものの、この中学生達は
前述のハンデを忘れてしまいそうになるくらい
結構達者に芝居する。

しかし、中途の科白はアンバランスな箇所も多々あり、
妙に大人びているかと思うと、小学生かよと思うような会話をしたりする。
ここいら辺、脚本の設定がぬるいかもしれない。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。


物語に纏わる幾つかの謎、特に誰が「告発文書」を送ったのか
については、最早回答が示されているようにも見える。

主人公が、何故「学校内裁判」を開こうと思い立った経緯についても、
虚実は判然としないながらも提示される。

謎は、果たして犯人は居るのかと
居るとすれば誰なのかに収斂する筈だが、
巻末に流される〔後編〕の予告編を観る限りは
思わぬ結末が提示される予感もする。

何れにしろ、竜頭蛇尾に終わるコトはないだろう、なぜなら
本編自体が、パズルのピースとして必要ながら、
かなり極小な「尾」なんだから。