RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~@109シネマズ木場 2017年11月10日(金)

封切り八日目。

席数331の【シアター3】の入りは一割ほど。


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「神の舌」を持つ料理人が居る。

その男『佐々木充(二宮和也)』は一度味わった料理はけして忘れず
寸分の差も無く再現することができる。

が、そういった天才肌にありがちな
他人を自分より劣る存在と見下す態度が災いし、
折角持った店も潰してしまい、多額の借金を負う身。

今では流れの料理人として、一回の料理を多額の金銭で請け負う。


そんな彼の元に不可解な依頼が舞い込む。

『充』と同様に「神の舌」を持つた料理人
『山形直太朗(西島秀俊)』が嘗て完成させた幻のレシピを捜し出して欲しい、と。

料理人に対してレシピの再現をリクエストするのであればハナシは判る。
しかし捜すのは探偵の役割だろう。
ましてや、その依頼人は中国料理界の大御所、
何か裏があるのだろうか?

此処での疑問が一つの物語の綾。

そして動き出した『充』の前には都合良く
次から次へと手掛かりが現われ、滞ることがない。

上手く行き過ぎてないか?


しかしオハナシも半ばを過ぎた頃から
朧げながら全体の骨格が見え始める。

ああ、成る程、こ~ゆ~仕掛けだったのね、と
思わず膝を打つ。

同じ天賦の才を持つ以外にも
二人の料理人の人となりの類似性や
彼等に寄せる周囲の人々の想いの近似も含めて
物語りがまるっと綺麗に収斂して行く様は
見事の一言に尽き、
若干、竜頭蛇尾の嫌いはあるものの、
頗る良く練り上げられたストーリーに感服する。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


それにしても、最初の方は
鼻持ちならないイヤな男を演じていた『二宮』クン、
あることを契機に顔つきまでガラッと変わってしまう。

このあたりの表現力は本当に大したものだ。