RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

君の名前で僕を呼んで@TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2018年5月14日(月)

封切り三週目。

席数342の【SCREEN2】の入りは六割ほど。


イメージ 1



あれ?これって、前宣伝や評論を読む限り
てっきりゲイ、或いはLGBTの映画だと思っていたけれど
全然違うよね。

主人公二人の関係は、歳の差のある兄弟の、または
子猫がじゃれあうような印象を受ける。

そして、う~んと唸りながら観ていたら、
日本古来にも「衆道」が有ったじゃないかと思い至る。

雨月物語〕の〔菊花の約〕みたいな。


十七歳の少年『エリオ』は
イタリアの田舎に在る別荘で毎年夏のバカンスを過ごす。

大学教授である彼の父は
そこに博士課程に在籍中の学生を招待するのが恒例。

が、今年来訪した『オリヴァー』は今までの学生とは
一味も二味も違い、同性から見ても(勿論、異性からも)魅力的。

最初はその態度に反発していた『エリオ』も
次第に彼に惹かれて行く。


不思議なコトに男女の仲であれば
〔あと1センチの恋〕の様なシチュエーションでは、
あ~もう早くやっちまえよ!とやきもきするのに
本作のケースでは、それっぽいムードになってしまった時も
いいじゃん別にプラトニックのままで、と
思ってしまうのは、ちょっと自分勝手かしら。

製作者サイドもそういった点を意識しているのだろう、
130分の尺は時間がゆったりと流れ、
二人の男性の機微を感じさせるエピソードには激しさもなく
ややの冗長ささえ感じてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


しかし観終わってみれば
物語の軸は、紆余曲折はあったものの
十七歳の一人の少年がひと夏を越すことで
大人への階段を一つ上る成長譚。

そのきっかけとなった出来事は
我々が経験するものとはちと違っていたようだが。