RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

キングダム2 遥かなる大地へ@109シネマズ川崎 2022年7月17日(日)

封切り三日目。

席数349の【シアター6】の入りは七割ほど。

 

 

鑑賞中からもやもやとした思いが消えなかった。

どう転んでもこの流れでは、今作中に大団円を迎えることはなさそう。
当然、次作(或いは次々作)の想定も、
主演の『山﨑賢人』も既に27歳、青年は兎も角
少年の成長譚を綴るには外見的にも難しかろうと。

案の定、本編終了後、〔Ⅲ〕が2023年公開との予告が流され、
なるほどね、と納得をしつつも、
今回の〔Ⅱ〕が思いの外不出来であったのは、
そのあたりにも理由がありそうと思い至る。


あの〔バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)〕でも
〔PART2(1989年)』〕の出来は残念なものだった。

シリーズ全体としての「序破急」や「起承転結」を考えた時に、
かなり重要なポジションを占めるにもかかわらず、
逆に中だるみになってしまうケースが多々。

極々の例外は「I AM YOUR FATHER」で鑑賞者を驚愕させた
〔エピソード5/帝国の逆襲(1980年)〕や、
何れも『ジェームズ・キャメロン』の起用が奏功した
〔エイリアン2(1986年)〕〔ターミネーター2(1991年)〕くらいか。

どうしても中だるみ的な仕上がりになってしまいがち。

また、主人公の変化前提で作成されはしたものの
クロエ・グレース・モレッツ』が成長し過ぎた
キック・アス/ジャスティス・フォーエバー(2013年)〕の例も有るだろう。


勿論、本作にもそれなりの美点はあり。

おそらく中国で実際にロケを敢行したと想定される雄大な景色、
またはCGの併用で迫力満点の戦闘場面は評価に値。

特に馬を盛大に転倒させるシーンの労力は
大層なものだろうと感心。

とは言え、唸ったのはそれくらいで、
肝心の脚本や編集、或いは画面の構成などは
相当に残念な仕上がり。


ストーリーそのものに広がりが無く、
舞台となる大地は広大であっても、
実際はあの大きな大陸の一地点を巡るせめぎ合いに終始し、
雄渾さに欠けるきらいが。

エピソードそのものも、昔からある「一将功なりて万骨枯る」的な援用で
目新しさは無し。

鍵となる登場人物も少なく、
各々の尖ったキャラクター特性を十分に生かし切れているとは言えず、
物語が変に小さく纏まってしまっている。

尺の大部分を割く戦場での場面も、
戦略とそれを元にした戦術の説明が曖昧なばかりか、
両軍の位置関係や各軍の動きが判然としていないため、
首を傾げる部分が多々。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


あくまでも〔Ⅲ〕への序章的な位置付けも、
もうちょっと作り方、
或いは印象的なエピソードの援用等、
やり方があったのでは?と
かなり疑問に思ってしまう。

とは言え、次作はたぶん観に行くんだろうなぁ(笑)。