RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?@109シネマズ川崎 2017年8月19日(土)

封切り二日目。

席数345の【シアター6】の入りは七割ほど。


イメージ 1



大人への階段を一つ昇る為の通過儀礼には
どんなものがあるだろう。

一つには居場所が変わること、
もう一つには本作で描かれるように
身近な誰かが居なくなることか。

自身の選択によるケースも、逆に自分は好んでいないのに
周囲の事情で已む無くそうなる時もあるだろう。


本作で描かれるのは、まさに後者の場合。

親の都合で住み慣れた街を離れざるを得なくなった少女と
それに想いを感じた少年の気持ちが一つになった時に
何回かの奇跡が起こり
二人はほんの少しだけ精神的に成長する。


予告編からは、ありがちなループ系かとも思ったが、
その内実は少々異なるようだ。

繰り返しの回数を重ねる毎の変化は確かにあり
物語りは少しづつ進展はするものの、
その行き付く先は大きく異なるわけではなく、
次第に変化するのは互いの気持ち。

切なさの度合いが徐々に増し、
クライマックスでは、二人の心が
綺麗に一つになる。


まぁ勿論、不満な点は多々あって、例えば
花とアリス〕で女子高生を演じた『蒼井優』への
フェティッシュな視線が本作でも踏襲されており、
う~ん、ちょっとよく判らんぞ、とゆ~のが
正直な気持ち。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


エンディングについては賛否あるだろうけど、
一見ハッピーエンドに見える、
〔卒業〕の『ベンジャミン』と『エレーン』、或いは
小さな恋のメロディ〕の『ダニエル』と『メロディ』は
この後、本当に幸福になれたのだろうか。

自分にはそうは思えない。

二人の未来は、何れも明るくはない。
結末が付いている様で、実はそうではない。

それに比して本作は、二人の中では
きっちりとケリが付いているのだから。