RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

嘘を愛する女@TOHOシネマズ上野 2018年2月1日(木)

封切り十三日目。

席数199の【SCREEN8】の入りは二割ほど。


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この数奇な物語が、実際の出来事にインスパイアされたストーリーであることに
先ずは驚く。

そしてまた、長らく一緒に住まっていた人が
何者であるかを探して旅するロードムービーでもある。


5年間同棲していた恋人の『小出桔平(高橋一生)』が
くも膜下出血で倒れたとの警察からの連絡。
急ぎ駆け付けた病院で『川原由加利(長澤まさみ)』を待っていたのは
自分が知って信じていた彼の経歴が、
その名前も含めて全て偽りであったとの知らせだった。

突き付けられた事実に戸惑いながらも、
遺された僅かな痕跡を手に
『桔平』が本当は何者であったのかを探す為に
私立探偵の『海原(吉田鋼太郎)』を雇い
『由加利』は旅に出る。


自分が愛する人間の過去が
偽りであったと知った時に、人はどのように思うのだろう。

愛情と言うのは、人となりだけに対するもの?
それとも生まれや経歴も含めて愛するのだろうか。

社会的に属している集団は、所謂ラベルだが
それも愛情を向ける対象の一片なのだろうか。

本作の主人公は、相手の顔を見ることすら忌避するくらいの思いにとらわれる。
しかし真実を希求する気持ちが静まることはない。


もっともここで描かれる『由加利』の性格は打算的。

自身の手柄にも激しく拘泥し、
『桔平』を好いた理由にしたって、彼がイケメンであり
且つ将来的には医師となり、高収入とステイタスが約されているコトが背景にあるのが
それとなく示される。

しかしそういった彼女の人となりは
旅を続ける内に変化の兆しを見せ始める。


『桔平』の過去に辿り着いた上で、
果たして何者であったのかを知ることができるのかが
本作のサスペンス。

一波乱二波乱を見せながらも
結末に導いて行く脚本家と監督の手腕は
なかなか評価に値する出来。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


主要な三人の登場人物に芸達者を揃え、
演技の上でも破綻は見られず
安心して観ていられるのに加え、
最初は不幸な、が中途から実際はかなり性悪である主人公を演じた
長澤まさみ』があまりにも凄すぎ。

どの側面を取っても、何の違和感も無く成り切っている。

今の邦画界で、これだけできる女優さん
いったい何人いるだろう。