封切り四週目。
席数190の【CHANTER-3】は満員の盛況。
システムそのものも勿論、名誉棄損については、
被告側にその立証責任があるとの違和感は、しかし
本作でのサスペンスを盛り上げる一つとして、また
被告人=アメリカ人・被告側の弁護団=イギリス人の
裁判に対する異なる理解の相克を炙り出す要素としても機能し
興味深い。
被告側にその立証責任があるとの違和感は、しかし
本作でのサスペンスを盛り上げる一つとして、また
被告人=アメリカ人・被告側の弁護団=イギリス人の
裁判に対する異なる理解の相克を炙り出す要素としても機能し
興味深い。
が、本作に於いては、それなどはまだ判り易い方。
裁判の論点そのものにかなり疑問符が付いてしまう。
裁判の論点そのものにかなり疑問符が付いてしまう。
それ故、実際は数年に渡る長い物語を
百分程度の短い尺でテンポ良く描写できたわけだが、
新米弁護士の変なサイドストリーなどは不要なので、
もうちょっと時間を足し、別のエピソードを盛り込みながら
物語りに厚みを与えてくれたら、との恨みはある。
百分程度の短い尺でテンポ良く描写できたわけだが、
新米弁護士の変なサイドストリーなどは不要なので、
もうちょっと時間を足し、別のエピソードを盛り込みながら
物語りに厚みを与えてくれたら、との恨みはある。
それにして、歴史的な事実が
争点になってしまうこと自体不思議でしょうがない訳だ。
争点になってしまうこと自体不思議でしょうがない訳だ。
もっとも、無かったことの証明よりも
あったことの証明の方が大変なのは世の常。
あったことの証明の方が大変なのは世の常。
どんな背景があるにしろ
否定論者は世界中に数多存在する訳で、って書いていたら
本邦でも似た様なコトが有ることに気が付いた。
否定論者は世界中に数多存在する訳で、って書いていたら
本邦でも似た様なコトが有ることに気が付いた。
提示されている証拠写真の一枚が信憑性に欠けるので、
事件全体が無かったことになるとの強引な弁証は
当の本人は満足できるかもしれんけど、
フラットな目で見れば、
全ての証拠が欺瞞となってこその証明でしょ?
と、思ってしまうわけだが。
事件全体が無かったことになるとの強引な弁証は
当の本人は満足できるかもしれんけど、
フラットな目で見れば、
全ての証拠が欺瞞となってこその証明でしょ?
と、思ってしまうわけだが。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
ホロコーストの犠牲者と存命である被害者に対しての
敬意の無い態度は許せんとのヒロインの断固たる思いが
事なかれ主義の数多を凌駕して行く過程は爽快も、
もし異なる結果が示されていたら、
彼女は世間からどんな指弾を受けたのだろうと
ココロ寒くなると同時に、
正しくないことが事実とされる可能性は
常に孕んでいる危険性にも思い至る。
敬意の無い態度は許せんとのヒロインの断固たる思いが
事なかれ主義の数多を凌駕して行く過程は爽快も、
もし異なる結果が示されていたら、
彼女は世間からどんな指弾を受けたのだろうと
ココロ寒くなると同時に、
正しくないことが事実とされる可能性は
常に孕んでいる危険性にも思い至る。