封切り二日目。
席数158の【SCREEN3】の入りは三割ほど。
原作未読も複数回映画化されていることは認識。
作者の前半生が反映されているとされる物語りは
それほど蠱惑的なのだろう。
しかし、本作、観始めて早々に感じる違和感。
1800年代の英国が舞台であるハズなのに
主人公をインド人が演じていたり、
黒人が上流階級の貴婦人として登場したり、
その息子が生粋の白人であったり。
どうやら肌の色や髪の色は、全く指標にはならず。
外見はとっぱずして見てくれ、とのことらしい。
かなりの長編を二時間弱に纏めているので
物語りはとんとんとテンポ良く進み、
さながら抄訳を味わうよう。
脚本は勿論のこと、編集にも工夫が凝らされ、
殊に外連味のある表現は評価。
多様な登場人物もキャラが立っており、
アップダウンの激しい半生は観ていて全く飽きない。
キャッチーな性格付けではあるものの
一方で個々人の掘り下げは浅く、感情移入ができにくいのは残念。
また、〔マイ・フェア・レディ〕でも扱われたヒックニー訛りを絡めた描写は
異国の我々には判り難い等を右代表とし、文化に疎い鑑賞者には
隔靴掻痒の部分が多いのも、宿命とは言え辛い。
字幕を付けた『松浦美奈』はそれなりに工夫をしているようだけど。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
主人公の名前は以前には『カッパーフィールド』と教わった記憶だけれど
ここでは『コパフィールド』で統一されている。
でも実際の発音を聞くと、前者により近い印象なのだが。
そして名前と言えば『ユライア・ヒープ』。
イギリスのロックバンドのそれは
ここから採られていたのね。今回初めて知ったよ。