RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場@TOHOシネマズシャンテ 2017年1月1日(日)

封切り十日目。

席数224の【CHANTER-1】は満員の盛況。


イメージ 1



公開年から行けば、
〔ドローン 無人爆撃機
ドローン・オブ・ウォー
の順になろうか。
かなりカレントな素材ではある。

離れた場所から攻撃のボタンを押す。
一見、自身の手は汚れていない様に見えて、
実際には相当の葛藤を持つ。

戦場に居るのとは違った
ココロのキズを受けてしまうさま。

なまじ現場と距離があるので、
詳細を窺い知れない隔靴掻痒感があり、
それが作品のキモとして機能する。


そう言った素材は共通ながら、本作での独自要素は
主戦場となるケニア、指令の場所となるロンドン、
実際にドローンを操作しているアメリカ国内の基地、
他幾つかを結びながら進行して行くことにある。

シン・ゴジラ〕でも描かれた
高度に政治的な判断が必要な場合の
責任の押し付け合いがここでも開陳され、
ああやはり、と思ってしまうが、
ドライに割り切るアメリカとウェットに逡巡するイギリスの違いは
国民性の違いによるものか?


コトは宣伝でも使われている
「少女一人の命と(その後のテロ被害として想定される)八十人の命」の
軽重を問うだけに留まらず
正義の判断とは何か、或いは
善悪の彼岸は何処に在るのか、と
幾つもの命題を眼前に突き付ける。

とっても重い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


映画で使われた様な、極少のマシンが
実際は何処まで実用化されているかは判らないけど、
技術が日々進歩している現状では(例え今は想像でも)
近々に投入されることは難くない。

或いは、あくまでも最終判断をするのは人間との想定だが
何時までそれは保たれるのか。

人ならざるモノが戦闘を自動的に行う世界は
独裁者にとっては理想だろうが、
現実には悪夢の世界だろう。