RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

少女ファニーと運命の旅@TOHOシネマズシャンテ 2017年8月12日(土)

封切り二日目。

席数224の【CHANTER-1】は満員の盛況。

お盆只中のためか、はたまたそのテーマのためか、
来場者はかなり高齢に振れている。


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第二次大戦中のフランス。
そこには一方的に占領されるだけでなく、
〔サラの鍵〕でも描かれた
ユダヤ人迫害に加担する「ヴィシー政権」と
それを支えた一般市民が多く居た史実。

が一方でそれを善しとせず、ユダヤ人を助けた人々も多く居たのも事実で
本作はそういった彼等・彼女等の支援を受けながら、
フランスを抜け出し、中立国のスイスを目指した少年・少女の物語り。


頼れる大人とは落ち合えず、リーダー役の青年までもが脱落してしまったため、
図らずも子供だけの集団を統率することになってしまった
僅か十三歳の少女『ファニー』。

果たして彼女等の逃避行は成立するのか、が
最大のサスペンス。


で、一連の流れを観ながら、ふと想起したのは
「初めてのお使い」。

もっとも、目的地への道のりさえあやふやで
掛っているのは自分や仲間の命なのだから、
実際はそんな生易しいものではないけれど。

しかし、盛り込まれている幾つかのエピソード~移動手段の予期せぬ変更、
仲間の脱落、幼子の我儘、疲労や空腹~を重ね合わせれば
緊迫感の違いは当然として、かなり多くが重なっている。


冒頭例によって
「実際に起きたこと」をベースにしたオハナシであることが提示され、
これにより結末までの大筋は読めてしまう。

ただ成功の影には数多の失敗があり、
記録が残せているのは、
本当に稀な運の良いケースなのだろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


子供の集団が主役との切り口は斬新。

同時期での多人数での亡命劇で且つ映画化は
「トラップファミリー」の例もあるし。


ただ、エピソードの多くは
エクソダス」をテーマにしたものとしては既視感に溢れている。