RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

はじまりのうた@チネチッタ川崎 2015年2月8日(日)

封切り二日目。
席数290の【CINE 4】の入りは八割ほどで盛況。

客層は中高年の女子が圧倒的。


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キーラ・ナイトレイ』は好きな女優さんの一人。
特に西洋人にはあまりいない、
極度の貧乳が萌えポイント。

そんな彼女が創作の上でもパートナーであった恋人から
手酷い裏切りを受けるソングライターを演じる。

自分が有名になることで舞い上がり、糟糠の妻を捨てる
とは良くあるハナシだが、『グレタ』も心ならずもそんな目に遭ってしまう。


もう一方の主人公『ダン(マーク・ラファロ)』は嘗ての敏腕プロデユーサー。
しかしここ数年は目立ったアーティストを発掘できておらず酒びたりに。
ついには自分が立ち上げたレーベルの共同経営者からクビを言い渡されてしまう。


その二人がNYの街角で出会う。
そこから物語が動き出す。
ちょっと捻りのある、ボーイ・ミーツ・ガールのような導入部。


ジャストアイディアながら、売り込みのデモを制作するために
『グレタ』の曲をNYの各所で一発テイクをする件は
近隣の住民も巻き込み、観ていてもココロが浮き立つ。

併せて、二人の過去の物語もカットバックや対話を通して挟み込まれ、
思わず同情するその内容は、
先の音楽の軽快さと鮮やかな対比を成す手練れた造り。


出来上がったCDを手に売り込みに向かう二人だが、
この後のストーリーはあくまでも余禄。

ただラストのシークエンスについては、観ている誰もが
快哉を叫ぶに違いない。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


街角の、市井の人々と共にレコーディングする時間の描写は
きらきらとして、観ていて眩しいくらい。

そしてそれが、二人の主人公が昔の自分の原点を取り戻すための
美しい過程であったことが観終わってから理解できる。