RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

キャッツ@キャッツシアター(大井町)

いや~実に三十数年振りなんですけど、当該公演は。

その頃は「四季の会」の会員だった人と複数回の観劇。

で、今回はたまたま知人が「行けなくなったので」と
チケットを譲ってくれた。

同人もやはり会員で、都合の良さそうな幾日を
ぱぱっと予約するらしく、送られた来た券面には
回転席且つ前から二列目の表示。

さすがにこんなに前には座ったことが無く
劇場に向かう前から気分はアガル。


【西口】に出て右手へ、アーケードのある商店街の緩やかな坂を
だらだらと下る。

馴染みの通りをほんの5分ほど。

駅から遠いと嘆く声も聴いたけど、何のことはない
【区役所】の遥かに手前じゃん。

そして見えて来た建物は・・・・、

イメージ 1


うげ!白い!!

「キャッツシアター」=黒の概念が沁みついていたので
この変容には驚く。


いったい何が?と訝りつつも中に入りキャストボードに視線を向ける。

当然、知らない人ばかりで、思い起こせば往時は
『グリザベラ』を『久野綾希子』が
『ラム・タム・タガー』を『山口祐一郎』や『市村正親』が
『ミストフェリーズ』は『加藤敬二』や元ジャニーズの『飯野おさみ』が
演っていたんだよねぇ。

スターシステムを取っていないとは言っても
随分と贅沢な時代だった。

今の演者からもそのうちに、活躍の場を広げる人が出て来るんだろうか。

あの『滝田栄』だって最初は〔エクウス〕の『馬』だったことを思えば。


無事席に腰を下ろし後は開演を待つばかり。
それにしても案内の人が多いなぁ、と嘆息しながら。


オーバーチュアが流れ席が回転し本編が始まる。

観続けて行くうちに、はてこんなだったろうかと
記憶に照らし合わせ首を傾げる場面が多々。

演出等のアレンジがかなりあるみたい、もっとも
過去の記憶は古すぎてアテにはならない部分がありつつも。


勿論、テクノロジーの進化による変更は当然としても
『ラム・タム・タガー』は白い衣装で、もっと「ごむごむ~~~」って歌ってたような。

歌唱も含め一言も発しない『ミストフェリーズ』は初めてだし
『オールドデュトロノミー』を救い出す時は自信に溢れてなかったか?
などなど。


一方で、前の席に座れたことで新たな発見も。

『バストファージョーンズ』の挿話中に猫の内の一匹が
しきりと袖や肩のホコリを払う仕草をする。

ああ、西洋人が良くやるあれをそのまま移植したのね、と思いつつ
距離があった時には気づかなかったものな。


そして更に通路寄りに座っていたことで
猫と握手できる余禄も。

でもこの時には、あれだけ動いているのもかかわらず
思いの外、手が冷たかったことに驚く。


インターミッションの間の舞台見学には上がらず仕舞い。

けれどもこれだけ間近で観ていれば
その点でもお腹は一杯。


演者が傍を通る度に動く風が感じられ、
踊りの後の息を整える呼吸すら聞こえそうな場所での体験は
満足の一言に尽きる。