封切り十三日目。
席数246の【シアター1】はほぼほぼ満員。
後に〔エピソード4/新たなる希望〕と呼ばれることになる
〔スター・ウォーズ〕が公開されたのは高校生の時。
ストーリそのものはありがちも、映像の斬新さへの評価は論を待たず。
が、一方で『ジョージ・ルーカス』による
全九部作構想とのコメントは「嘘くせ~~!」と思ったのも事実。
たまさか作品が世界的な大ヒットをおさめたから大きく出られたのよね、とは
衆目の一致するところだったかと。
ところが三年後に封切られた〔帝国の逆襲〕で評定は頂点を極め、且つ
なるほどこれなら、サーガとして価値は確かに保障されたと
皆が納得した訳だが。
じゃあその後の、本作をも含めた七編は
特撮は更に高度化され、世界観は広がり、剣劇の演出は洗練されたものの、
ストーリーの練り込みは、先の二作に在ったモチーフが
拡大され繰り返されるだけの陳腐度が増すばかりで
正直既視感が満載、
英雄譚としての評価はどうにも右肩下がりで。
翻って本作、懐かしい人物やエピソードが大挙して出来。
シリーズの掉尾を飾るに相応しい中身なのは間違いなし。
もっともそれは繰り返される挿話を
「懐かしい」と取るか「またかよ」と反応するかの両極で、
こと自分に関しては前者。
それは冒頭に挙げた四十年強の歳月の経過が背景にあり
郷愁に近い思いを抱かされたためなのが間違いのないところのよう。
これ以外に落としどころはないよね、との
納得感もそうさせているのだろう。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
それにしても、
『アナキン』がダークサイドに転向した動機も弱いと感じたけど、
皇帝『パルパティーン』が暗黒面に堕ちたことや
あれだけの強大な力を持ちえた理由は何だったのだろう、と
改めて思う。
銀河全体に権勢を振るうことは、身内を犠牲にしても
なお、それほど魅力的な目標だろうか?
ましてや、荒涼とした場所で長期間、
孤独に在ることがもたらす対価って何だろうとも
重ねて考える。