RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

君は月夜に光り輝く@チネチッタ川崎 2019年3月23日(土)

封切り九日目。

席数129の【CINE2】の入りは六割ほど。

時節柄か小学生の女子が多い客層に
ちょっとだけ驚く。


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よくある難病ものも、その症例はかなりの変化球。

「発光病」は不治の病で、人のカラダ自体が光を放ち
やがては死に到るという。

「夜光虫」や「蛍烏賊」など、体そのものから発光する生き物は
海棲に多いけれど、よく人間に当てはめたなと感心。

一方で、それを反映した印象的なシーンはあるものの、
エピソード自体への組み込み全く見られず、
設定自体が空振りに終わっているがっかり感。

原作ではこれらは上手く処理されているんだろうか。


かなり新奇な病状の創案以外は
ストーリーはセオリー通りの恋愛もの。

取り立てたサプライズは起きず、
ちょっと間違えば
や まなし
お ちなし
い みなし
の、残念な作品に堕してしまったところ。

それを救ったもう一つの要素が「やりたいことリスト」の存在。

もっともこれも、余命宣告をされた時にはありがちらしく、
直近観た映画にも当該リストの存在に言及するシーンがあった記憶。


病におかされた『まみず(永野芽郁)』のむちゃぶりを
『卓也(北村匠海)』が生真面目にこなすシーンの可笑しさ
やり取りの楽しさといったら。

気の重い作品でありながら、笑いが止まらない。

もっとも、当該場面や
『まみず』の父『真(及川光博)』との絡みのシーンで笑っていたのは
自分だけだった様な気もしたり。

ただこれらのお陰で、鑑賞に堪えうる一本として本作は
なんとか踏み止まった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


『卓也』の家庭事情も併せて語りながら、
例え愛する人に先立たれても、
残された者達が生きて行くことの大事さを
改めて描写する。

エンディングでさえ、センチメンタルになる必要はさらさらない。
明日への希望が十分に感じられる後味だ。