RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲@TOHOシネマズ錦糸町 2019年7月15日(月)

封切り四日目。

席数112の【SCREEN7】の入りは七割ほど。


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「バカバカしいと思うなよ。やってる本人は大マジメ」とは
関根勤』の発言と聞いている。

バカなことを手抜きしてやったら本当に馬鹿者だけど、
真剣にやれば必ず伝わるものがあるはず、との
至極真っ当な言。

それをまんま体現したのが前作〔アイアン・スカイ
(あ、直近では〔翔んで埼玉〕もそうかも)。

敗戦直前に月に逃れた「ナチス」が
UFO型宇宙船で地球に対して捲土重来を期すとのプロットはありきたりも
陰謀論やトンデモ説が大好きな人々を狂喜させるには十分。

加えて映像や音楽にもたっぷりと凝り、
予告編公開後の
クラウドファンディングで一億を集め
カルト的な人気も博した。


本作はその続編(と、言ってよいのかどうか。かなり設定にムリがあるかも)。

VFXにチカラは入っているし、風刺もたっぷり盛り込んで、
古今東西の独裁者は徹底的にこき下ろす。それは宗教そのものや
聖職者にすら及ぶ。

現代ビジネスの成功者もからかいまくり、しかし
ブラックなギャグが爆笑に繋がることはない空回り加減。

他のスペースものからの引用多々も、
何れもが表面的ななぞりに終わり消化不良。


なんとなれば基本的な設定が前作より更に陳腐。
今更『ジュール・ヴェルヌ』でもなかろうに。

おまけにせっかくおちゃらかした有名人が実は・・・・、だなんて
人間は愚行・蛮行をしないとの、逆の意味にとれちゃうじゃない?

これなら『メル・ブルックス』の〔スペースボール〕の方が
遙かにマシなんですけど。


評価は、☆五点満点で☆☆☆。


エンドロールにクレジットされた支援者や献辞を捧げられた人達に対しての
手酷い裏切り以外の何物でもなし。

製作者サイドはもっと真摯に作品に対して向き合って欲しいもの。