本日初日。
席数234の【SCREEN5】の入りは六割ほど。
オープニングからそのエキセントリックさが爆裂するので、
観客は面食らい、戸惑う。
観客は面食らい、戸惑う。
流行作家『衣笠幸夫』は、テレビにも出演する
所謂「文化人」。
所謂「文化人」。
人生でそうはない悲しい事態に直面しても
彼は涙の一筋さえ流せない。
彼は涙の一筋さえ流せない。
荼毘や葬儀を淡々と行い、
有名人の性でマスコミの前では辛そうな態度は取るものの、
自宅に戻れば日常から一人の人間が消え
生活が不便になった程度のことしか感ぜず、
妻との思い出に浸ることも無い。
有名人の性でマスコミの前では辛そうな態度は取るものの、
自宅に戻れば日常から一人の人間が消え
生活が不便になった程度のことしか感ぜず、
妻との思い出に浸ることも無い。
そんな折り、ひょんなことから
週のうち幾日かを、幼い兄妹と半日を一緒に過ごすようになる。
週のうち幾日かを、幼い兄妹と半日を一緒に過ごすようになる。
そこでの彼は、今まで我々に見せたのは正反対の
優しい態度。
子供の我儘にも真摯に向き合い、次第に父親よりも信頼を得て行く。
優しい態度。
子供の我儘にも真摯に向き合い、次第に父親よりも信頼を得て行く。
一体どちらが『幸夫』の真の姿なのだろう。
ジギルとハイドの様に、
相手によって態度が変貌する主人公に我々が混乱しているのも束の間、
幾つかの事件が起き、彼は更に変わらざるを得なくなる。
相手によって態度が変貌する主人公に我々が混乱しているのも束の間、
幾つかの事件が起き、彼は更に変わらざるを得なくなる。
とは言うものの、やはり観客は、最後には
人の情の有り難さを感じさせる大団円を期待するもの。
人の情の有り難さを感じさせる大団円を期待するもの。
亡くしたことで初めて気付くこともあるのだと
それは日々を何気なく過ごす我々にとっても共通するテーゼなのだろう。
それは日々を何気なく過ごす我々にとっても共通するテーゼなのだろう。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
自身が優位に立つことで、相手から愛されようとしていたのが
実はまるっきり間違っていたことを悟る複数の場面や
テレビに出ている自分は、実は大衆に消費されるだけの存在で
代替は幾らでもいるのだと気付くシーンがそれにあたるわけだが、
ちょっとみには刈り込み過ぎと思える箇所が幾つか。
実はまるっきり間違っていたことを悟る複数の場面や
テレビに出ている自分は、実は大衆に消費されるだけの存在で
代替は幾らでもいるのだと気付くシーンがそれにあたるわけだが、
ちょっとみには刈り込み過ぎと思える箇所が幾つか。
なまじ主人公の振れ幅が激しいだけに、もう少し丁寧に説明した方が良かったかも。