RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

《写真》見えるもの/見えないもの #02@東京藝術大学大学美術館 陳列館 2015年7月26日(日)

会期は~8月1日(土)まで。

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”ヘレン・シャルフベック”が最終日なのに加え、
”うらめしや~”からの流入もかなりあるようで、
場内はそこそこの入りになっている。

専用サイトや場内の掲示を確認すると
助成・協賛・協力がたっぷりと付いているが、
それは本展自体が持つ楽しみとは
また別のオハナシ。

計十三人(組)の作品が並べられ、
おっ!と思ったのは次の二人。


『塚田史子』の〔静物たち〕は
確かに静かに物が並んでいる写真だけれど、
その静謐さは、実は主が最早不在となっている家が
モチーフになっていることによる。

そこで静止しているのは、時間であり、
新しい主が来るまで、その家作の中の全ての物体は
動き出すことが叶わない。

観ていて切なくなるほどだ。


『今義典』の三連の作品は、とってもお馬鹿さんだ。
タイトルからし
〔川口のあけみ〕〔東京の叔父さん〕〔阿部マリア〕だなんて
おふざけも手が込んでいる。

最初の作品を例に取れば、田舎の私道の真ん中で
エレキギターを手にポーズをとる
ルーズソックスの女子高生(の割には、とうが立っている気がする)が
主役ではなく、それを興味深げに眺めている幼い兄弟こそが主体だろう。

しかし、歩を進めるに連れ、その主客が少しづつ
ずれて行くんだから面白い。


これだけの為に、上野にまで足を延ばす価値は
十分にあるだろう。