封切り四日目。
席数72の【シアター10】は一席おきの案内の
実質36席が満員の盛況。
「IMDb」では6.3、
「Metascore」は69と
観る・観ないの判断上では境界値。
それでも〔スイス・アーミー・マン〕の『ダニエルズ』の作品だし、と
足を運ぶ。
もっとも先の作品とて諸手を挙げての賛意とは言えず、
死体の扱い方はとことん不条理。
やはり死体がひどい目に遭う『ヒッチコック』の〔ハリーの災難〕とは
一段異なるブラックさ。
賛否両論あったのも頷ける中身。
で、表題作、三人の悪友がどんちゃん騒ぎをやらかした挙句、
うち一人が亡くなってしまう。
とは言え、冒頭からして、
ぽ~んと放り出されたような描写で、観る側には
何が起きたのかすら判然としない。
同様なオープニングでも
〔ハングオーバー!〕シリーズは、次第に記憶も甦り、
事態が回収されて行くのだが、
本作に限っては、真相が明らかになっても
物語りは混迷の度を深めるばかり。
軽挙妄動が
取り返しのつかない結果を招く典型例ながら、
救いの無い、馬鹿馬鹿しくもカテゴライズ不可な体験を
観る側に強いる暗いコメディ。
わけても、死んだ男の妻が
悪友の一人と馬房の中で話すシーンは
本来であれば大爆笑のハズも、全く笑えん。
と、ゆ~か、ここで笑ったら
人でなしの烙印を押されるんじゃ、との思いが先だってしまう。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
狭い街と密な人間関係の割には死人の素性が割れなかったり
オープニングの杜撰な行動そのものへの疑問はありつつ、
それが無いと物語り自体が成立しないからなぁ。
それにしても、アメリカ国内では
「ソドミー」を法的に禁じている州が(いまだに)あった記憶。
本作の舞台は、何処だったかしら?