封切り二日目。
席数246の【シアター1】の入りは五割ほど。
〔レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)〕は
画期的な一本だった。
アメリカで昔からある映画やコミックの、冒険譚の集大成。
それに現代的な特撮の味付けをし、
はらはらどきどきが止まらない作品に仕上がっていた。
あっさりと敵を殺してしまったり、カタコンベの中で
ミイラに絡まれる等、ダークな側面も
ほど良いアクセントとして機能していた。
その後、続編が1984/1989/2008年と造られるのだが
後の方になるほどセルフオマージュが多く
清新さは無くなり、作品としての面白さは
減少傾向だった印象。
直近では〔レイダース5〕も予定されているようだけど、
楽しみでもあり不安でもあり。
先の成功を受け、以降は
類似のジャンルが多く作られる。
比較的出来の良い部類では
〔ロマンシング・ストーン 秘宝の谷(1984年)〕か。
こちらも翌年には続編が公開されるも、
結局はそれで打ち止めに。
比較的最近では
〔ハムナプトラ/失われた砂漠の都(1999年)〕。
これも続編一本が二年後に作られるも、
どちらとも「なんで作っちゃったかなぁ?」と
嘆息するほどの不出来な二本。
総じて、シリーズが進めば劣化する。
アクション偏重だったり、謎解き重視だったりと
スタイルの工夫はあれど、
思いもよらぬ仕掛け、
裏切り裏切られやバディの絆、
宝物の内容や
それを見つける迄の道程で
新機軸を打ち出せなくなるのが最大の要因かと。
異なる味付けを見せてくれた
〔ダ・ヴィンチ・コード(2006年)〕はあるけれど、
それも2009/2016年と次第に新奇さが失われて行く傾向は変わらない。
で、翻って本作。
予想通り続編の作成を予定しているようだけど、
シリーズ一本目にして既視感が止まらない。
先に挙げた全ての要素に於いて
過去作からのコラージュまみれの印象。
宝が単に黄金財宝にとどまっているのも
残念な要素の一つ。
ある意味先祖返りだが、もっと捻りが欲しかった。
二つ三つの新しい見せ方はあるものの、
肝心のシークエンスを予告編で見せちゃったら
興味も半減されようと言うもの。
アクション多くする前提の
主演の『トム・ホランド』の起用と思われるが
〔スパイダーマン〕シリーズの浅薄な印象が抜け切れず、
かなりの違和感があり。
小道具の巧い使い方はあるものの、
物語の鍵となるのが(文字通り)鍵なのには
やや失笑してしまうのだ。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
日米同時公開は
先行指標が無く、観る・観ないの判断を迷ってしまうのだが。
案の定、現時点では
「IMDb」6.7
「Metascore」47
の低評価、特に評論家筋のウケは宜しくない。
どちらにしようか迷っていた
〔オペレーション・ミンスミート-ナチを欺いた死体-〕の方が
正解だったかしら。