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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

新東京百景―90年前の東京@東京都美術館 2017年1月8日(日)

所謂「所蔵作品展」ではあるものの、
一捻りが効いている。

 

標題にあるように九十年前、昭和一桁台の東京の風景の
{版画}作品がずらり並んでいる。


イメージ 1


先ずは「無料」であることが有り難い。
次いで数が六十近くあるのも素晴しい。

 

版画家の人数は計八名。
なので一人あたり七点の検討。


風景であることは以外は、表現の方法も
選んでいる場所もさまざま。

 

それでも「関東大震災」から立ち直った帝都の
更なる勃興を遂げようとしている姿は共通。


同内容を、写真で見ると言う手も
当然あったろう。

 

その方が、周囲の状況も含め
仔細に汲み取れるかもしれない。

 

しかし、画面がかなり単純化された技法により
作者が注視したかった文物に視点が注がれ
それ以外はバッサリと省かれることで
鑑賞者の視線も当然のように其処に収斂されて行く。


今とあまり変わらない「銀座線」の車両。
まだ緑青になっていない「ニコライ堂」。

 

上野駅」は「新上野駅」と表記されていたり。
日本橋」の上には、(当然)高速は掛かっていない。
「築地」には市場の片鱗すらない。

 

この頃から人でいっぱいの「神宮球場」の「早慶戦」。
今からは想像もできないような「神楽坂」の混雑ぶり。


こういった情景が、ぱ~んと目の中に飛び込んで来て、
往時との違い、或いは変わらぬ様子を確認することの楽しさと言ったら・・・・。


 

時間を割いて駆け付ける価値のある展覧会。