封切り二日目。
席数407の【CINE11】の入りは八割ほど。
第一作の監督の『スティーヴン・スピルバーグ』や
脚本の『ローレンス・カスダン』が、
どれほどを構想していたのかは判らない。
しかし同作で「I'm your goddamn partner!」と叫んだ『マリオン(カレン・アレン)』が
〔クリスタル・スカルの王国 (2008年)〕では本当にパートナーとして現れた時にはぶっ飛んだ。
『ダース・ベイダー』の「I am your father」を聞いた時に
近い驚愕度合い。
そして本作でも、彼女は重要な役回りを持たされる。
それも四十有余年を経て、
その時のエピソードを再度使い回すとの使命と共に。
これに代表されるように、今回は殊の外、過去作との関係性が
強く打ち出されている印象。
若く気の強い女性のバディに
孤児の助手とのフォーマットや
事件が旧友の残した遺品が発端となることも含め。
しかしそれらは、セルフオマージュにとどまることなく、
時代らしい様相をしっかりと付加されている。
過去作では、大学の講義中に
瞼に「LOVE YOU」と記した若い女性にアピールされた『インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)』も
今ではすっかり老齢。
第二次大戦前~中は、ナチスと激しいやり取り繰り広げた壮年期も
1969年の時代では肉体も衰え、講義にも張りが無く
授業中にも居眠りをする生徒が続出する始末。
そんな彼が老体に鞭打ち、再び活劇の世界に躍り出す。
今度の争奪物は、嘗ては「オーパーツ」と言われていた
「アンティキティラ島の機械」をモチーフとしたもの。
それを紀元前の科学者『アルキメデス』が残した
時空の裂け目を予測できる機械と換骨奪胎し、
例によって「ナチス」も絡ませながらの冒険譚が繰り広げられる。
その「ナチス」の設定も様変わり。
以前はオカルトマニアである『ヒトラー』への貢物がターゲットであったのが、
戦後の時代の『ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)』は
自身が総統に成り代わることで再興できる可能性を妄信、
組織自体がある種の劇薬であることが提示され。
勧善懲悪の結末と共に、
歴史の目撃者となる設定(例えば『インディー』の手帳には、
『ヒトラー』のサインすら記されているハズ)も盛り込まれ。
ただ、何れも新機軸が楽しい複数のチェイスのシーンは
やや時間が過多に思えるし、
得物である鞭の使用場面が少ないのも不満が残る。
が、『ジョン・ウィリアムズ』による〔レイダース・マーチ〕が聞こえて来れば
主人公の起死回生の場面と心が弾むのには変わりない。
小道具の提示とその回収、
歴史的事実を巧みに仕掛けに盛り込む脚本も素晴らしい。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。
懐かしいと言えば、エンドクレジットで
『フィリップ・カウフマン』の名前を久々に見る。
第一作の原案/キャラクター創造としてのものだが
彼の齢も九十歳近いとの記憶。
もう二十年も作品を世に問うていないわけだが、
今はどうしているのだろう。