他にも【グラウンド/大学会館/A&S LAB.】と展示はあるようだが、
時間の兼ね合いもあり三ヵ所を観るにとどめる。
それでも、ゆうに一時間は滞在。
先ずは『長谷川雅子』の作品群に脳天を鷲掴みにされる。
架空の雑誌「隔月刊 泥の中」の表紙を
(たしか)30巻分ずらりと並べる。
昭和のティストが溢れるタッチに、
レトロチックなキャッチコピーの数々。
これを一時に捻り出すなんて、
なんてお馬鹿さん!(褒めてます)。
雑誌はそれだけにとどまらす
「猫闘DX」(たぶん、「キャットファイト」と読ませたいのかと・・・・)、
「週刊 森の中」等々。
ギミックにもかかわらず、
戦後の怪しい時期なら、
ホントにこうした「大衆娯楽雑誌」があったのかも、と
思わせてしまう。
『李泊衡』も膨大な作品群。
大小合わせて何点あるのだろう。
壁のかなりのスペースにずらりと並ぶ。
総合タイトルは〔夢の万華鏡〕とされている。
『高井碧』の〔演劇人の傍白〕も好き。
実際の舞台の様子やセットを焼物で再現。
更には往時のパンプレット等も使っているので、
「文学座」なら『杉村春子』と一目瞭然。
「傍白」は舞台での科白で、
本当は聞こえているハズなのに、
観客にだけ届いているとのお約束。
鑑賞者は目を澄ませ、
並んでいる作品の数々に魅入る。
『SATTAPON SAREENA』の作品は、
〔In the realm beyond spectrum〕
〔You and me and everyone we have met〕
と書かれている。
障子紙と硝子が張られた戸の先には
複数台のモニター。
敷居を跨いで中に入っても、
画面には何も映っていない。
が、外に出て
硝子越しに再度見れば・・・・、おや
モニターには映像が。
どうやら偏光ガラスを使った仕掛けのよう。
なかなかに興味深い。
これらをはじめとして、
今年はとりわけ、面白さを感じる作品が多々。
会期は
第一会場(陳列館・正木記念館・グラウンド)が~12月21日(土)まで、
第二会場(大学美術館本館・大学会館・A&S LAB.)が~12月23日(月)まで。