RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

運び屋@109シネマズ川崎 2019年3月10日(日)

封切り三日目。

席数118の【シアター3】はほぼほぼ満員。


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「鈍感力」。

ちょっと前の流行語だが
本作の主人公『アール(クリント・イーストウッド)』の為にあるような言葉。

それがあったからこそ、「朝鮮戦争」からも見事に帰還できたのだろう、まさに
良い面に出た好例とは言える。


一方、家庭人としてはどうだったか。

半ば道楽の仕事「デイリリー」の栽培に熱中し、
各地の品評会を飛び回り、そこでの受賞とちやほやされることに執心するあまり
家族をないがしろに。
妻や娘にも愛想をつかされてしまう。


では作品のタイトル、
「運び屋」としての彼は?

歳を経て、いい加減さに更に磨きがかかり、
大事なブツの運搬中でも好き放題やりたい放題。

カルテルの構成員は肝を冷やすが
どっこいそれが逆に「DEA」の捜査官すらを翻弄。

この一連のシークエンス、時として艶笑的なシーンも盛り込みながら
楽しいったらない。


本国での評価は
IMDb」こそ7.2となっているものの、
「Metascore」に至っては58と芳しくない。

かく言う自分も
前作の〔15時17分、パリ行き〕のキレの悪さを思い出し躊躇しはしつつも
かりにも『イーストウッド』であれば、
そこまでひどくはあるまいと足を向けた次第。

それもあってか「109シネマズ」では珍しく
満足度等を問う内容の館内アンケートも実施され、
自身としては比較的高評価に〇印を。



評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


役者としての本人も、成り切り度合いは半端ではなく
いぶし銀の鈍い輝きが際立つ。

個人的にはけして「信者」ではないけれど、
日本人の琴線にふれ、十分に満足することのできる一本に仕上がっていると満足する。