RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ウトヤ島、7月22日@109シネマズ川崎 2019年3月10日(日)

封切り三日目。

席数89の【シアター8】はほぼ満席。


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観ている間に、おかしな思いを抱いてしまう。
子供の頃の「かくれんぼ」を何とはなしに思い出す。

見つからなさそうな場所に隠れたハズなのに
何故に簡単に見つかってしまうのか。

その理由は自分が鬼になった時に明らかに。
隠れて居そうな場所はやはり、ぴんと来るんだよね。

そんな疑心暗鬼に囚われ乍らの主人公達のサバイバル。

観ていて
胃はきりきりと痛くなるし、
血圧も高くなる、
脈拍も激しくなって、一方で
手に汗握る様なサスペンスではなく、
かなりの苦痛をすら伴う九十分間。


映画はそのうちの七十分強を
ワンカットで撮り切る。

嘗て『ヒッチコック』が〔ロープ〕で擬似的にやったことがあったけど、
今では技術の進歩がそれを可能に。

ではあるものの、役者とスタッフの労力はいかほどのものだったかと
思わず頭を垂れる。


それはさておき観客は
主人公の少女『カヤ』と同じ場所で同じ時間を追体験する。

それがおおよそ七十分間。

銃の乱射犯の魔手を逃れ、彼女が無事に生還できるのかが
見所の一つ。


犯人に見つからない為には
極力音を立てずに潜んでいることが肝要。

ただそれでは映画が成立しないので、
制作サイドがしたそれなりの工夫。

先ずは、主人公に感情移入させる為のエピソードが幾つか用意する。

そしてそれを終幕に向け、少しづつ回収して行く。

ため、彼女の造形はおそらく、一人ではなく
複数の人物の結合体とは思われる。

なので幾つか不合理な行動も見られるが
仕方のないことか。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


極限の状態に追い込まれた時に
人間の生と死を分ける境目は何処にあるのか。

勿論、運には左右されつつも、
どれだけ平常心に近くいられるかが肝だろう、けど
口で言うほど簡単ではないよね。

迫りくる恐怖に耐え、幾つかの死を身近に見て
何処まで自分を保てるだろうか?


ただそれができなくなった時には悲劇が襲う。

本作で描かれる多くの死は
あまりにもやりきれないし救いが無い。