RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

来る@TOHOシネマズ上野 2018年12月15日(土)

封切り九日目。

席数95の【SCREEN4】は満員の盛況。


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常々思うことだが、所謂〔エクソシスト〕モノに登場する
祓魔と称される人のモチベーションは何処に有るのか。

下手をすれば命さえ失いかねないにもかかわらず
我が身を賭して邪悪な存在に立ち向かおうとする。

先の一本であればキリスト教的な正義観に寄せられるものの、
では日本での源泉はどうなのか。

本作では、姉『琴子(松たか子)』と妹『真琴(小松菜奈)』が
各々異なる理由を述べるものの、
どちらも根底には愛情が存在し、
他の登場人物との鮮やかな対比となり、なんとも面白い。


が、作品的には焦点がぼやけ、
どうにも中途半端に流れてしまったがっかり感。

特に怪異の象徴として登場する「ぼぎわん」は、何故に子供を連れ去ろうとするのか。

ポルターガイスト〕の様に、光輝く子供の生命力に引き寄せられ、とは
説明としてはアリなのだが、
ではターゲットとなる少女『知紗』の父親『田原秀樹(妻夫木聡)』の幼馴染が失跡し
且つ、『秀樹』も繰り返し呼ばれるのはどうして?

ここに嘘をついたりとか、小さな生き物の命を奪ったりとの
子供らしい邪気の無い罪への懲罰的意味合いをムリに付加してしまうから、
筋が捻じれてしまう。

勿論、主要な登場人物達が見せる醜態に繋げる意図があったとしても、
子供も大人も、世間の殆どの人達がやるような背徳さを理由に挙げられても
あまりに説得感は弱い。

寧ろ、何らかのカタチで禁忌に触れてしまったからとした方が余程すっきりもするし、
魔との対決に収斂するエンターティンメント性の高い作品へと昇華できたんじゃないか。


ちなみに「怖さ」の観点からは、自分の様なホラーへの抵抗力が虚弱な人間でも
まるっきり許容できるレベル。

結果、前宣伝のキャッチにある「こわいけど、面白い」は
残念ながら両方の要素を満たしていない結果に。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


霊能者のキャバ嬢を演じた『小松菜奈』が新境地。

他の芸達者に囲まれても埋もれずに十分な存在感を発揮していたのが
最も大きな収穫かも。