RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

さくら@TOHOシネマズ渋谷  2020年11月14日(土)

封切り二日目。

席数154の【SCREEN1】の入りは八割ほど。

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タイトルの「さくら」は何かと思ったら、
舞台となる家で飼われている犬(牝)の名前。

このペットが鎹となり、
一緒にいる意味を喪失した家族が
再生するまでを描く。


物語りは静かに進行。

両親の馴れ初めや、何処にでもある家庭なりの儀式の成り立ち、
または『さくら』が貰われて来た経緯を挟み
『長谷川』家の状況が描かれる。

尺も半分を過ぎる迄は、何処にドラマが生み出されるのかさっぱり分からず、
おいおいこの先どうなるんだいとかなり気を揉んでしまう。
とりわけ、夫婦の昔も含め兄弟妹が幼い頃は、何処にでもありがちな一家の様子。

が、長ずるに連れ、思春期らしい恋愛が絡みだすと
そこはかとない不協和が露呈。

中でも極度なブラコンの妹『美貴』の
長男『一』への態度はかなり強烈な描写。


何となくの居心地の悪さを覚えながら注視していると、そこで事件が起こり
一家は解体する。

「たら」「れば」は正しくないものの、行き過ぎた情愛が招いた悲劇は
防ごうと思えば何とかなっただけにやりきれない思い。


しかしクロニクルとして見た時に、
すとんと腹落ちがしないのは確か。

そもそも三人の仲が異常に良すぎることや
親子関係も随分とあけすけなのがその背景にありそう。

特に〔ふしぎなメルモ〕宜しく、幼い子等に性教育を施す場面は
その最たるところ。

とっても一筋縄では行かない一家の描かれ方に
浮遊感があって仕方がない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


主要な登場人物である三人、
長男-次男-長女を演じた
吉沢亮』-『北村匠海』-『小松菜奈』の実年齢は
夫々26歳-23歳-24歳。

役柄の上でのことと割り切ろうと頭で考えはするものの、
小松菜奈』の存在がどうにも分かちがたい違和感。
ちょっと大人び過ぎてるのよね、最年長にしか見えんのだけど。

個人的にはとりわけ好きな女優さんも
本作に限っては、もっと年下の人をアサインした方が良かったかも。

もっとも、彼女が漂わせた魔性な香りは捨てがたいものがあり、
正解はどうだったのかは判らないのが悩ましいところ。