RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

gifted/ギフテッド@TOHOシネマズ 新宿 2017年12月1日(金)

封切り九日目。

席数122の【SCREEN11】は満員の盛況。


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一言で表現すれば、
泣ける映画。

それは主演である子役『マッケナ・グレイス』の演技によるところが大きい。


撮影当時は十歳くらいか。

それが七歳の『メアリー・アドラー』を演じる訳だが
兎に角、その表現力が尋常ではなく
凄まじいまでの人物への成り切り方。

彼女が怒り涙するシーンでは
つられて貰い無きする観客が続出。
極めて良くあるシチュエーションにもかかわらず、だ。


アメリカでは幼くして特定の方面に異才を発揮する人を
「Gifted」と呼び、それを社会に還元させる仕組みも整備されているよう。

日本でも「天賦の才」との似た呼称があり、
古くから認識はされていたんだろうけど、
その才能を伸ばすシステムについてはお寒い限りかも。

天才も一つの社会資産であり、
多くの人の幸福に役立てるべき、との思想は
キリスト教的な倫理感があくまでも根底にあるのかもしれない。


一方そういった構造が、当の子供にとっては
本当に幸せなのかが?が本作の主題の一つ。

才能を伸ばすことも大事ながら、愛情を注いでくれる人が身近に居るコトの
大切さ(例え、それが他人であっても)。
環境も勿論だけど、それを補って余り有るモノもあるでしょ、と。

本作では『メアリー』の叔父である『フランク(クリス・エヴァンス)』や
近隣の住人『ロベルタ(オクタヴィア・スペンサー)』がそれに当たるわけだけど。


一方、社会を極端に体現する存在として祖母の『イヴリン(リンゼイ・ダンカン)』が登場する。

彼女自身も優れた数学者でありながら、結婚~移住を期に諦めた学究の路を
最初は娘の『ダイアン』に託し、しかし彼女が若くして命を絶った後では、
やはり数学への閃きを見せる『メアリー』に固執する。

それは、社会貢献も勿論だが、自分が環境や時代故に果たせなかった夢の体現への
一方的な思いでもある。


どちらのスタンスが正しいとは一概には言えない。
両者の言い分に頷けるモノがあるから。

しかし一番大事なのは当の本人の気持ちであり
それを慮って最良の環境整備をすることが
全ての当事者にとってベストな選択なのは
まったくその通りだろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人」とは
昔から言われて来たことだけど、
『マッケナ・グレイス』は
ドリュー・バリモア』や『テータム・オニール』達を超えて
輝くことができるだろうか。

何しろ、その可愛さも半端なく
唯一の瑕疵は成長途中の為、撮影時に
前歯が抜けていたことくらいなんだから。