封切り二日目。
席数118の【シアター3】はほぼほぼ満員の盛況。
原作ありものも、当然のように未読。
なので、どこまでが原本で、
どこからが映画用の脚色かは解らないけれど
UFOを実体化させた映像は、取って付けたようで気になる。
監督の『SABU』らしい外連味のある表現も、
流れを阻害してしまう不要なシーンかと。
オハナシそのものはロマンスとサスペンスが融合した
ユニークな立ち位置。
前半、苛めに遭っている少女を上級生が救うとの件は、
共感を持って見つめる。
先の流れも読めず、なかなかに良いエピソードの積み重ね。
苛めを受けていることを見過ごせず、それを助ける決意をするまでが
極めて秀逸。
連綿と繋がる正義感が小気味良く体現される。
後半は転調。
一変し緊張感が漂うダークな展開に。
ただ、なまじ予告編を見ていると
先読みができてしまい、興がそがれる恨みはあり。
が、窮地を抜け出せるかのシークエンスは想定外の展開で、
おお!そう来たか!!と感嘆する落とし方。
愛情の変換が垣間見え、強烈ではあるも
こなれた描写。
また、唐突感のある冒頭部も、
観終われば落としどころとして十二分に納得感のあるもの。
人間は見たままを信じるとの、
レッドヘリング的な手法ではあるけれど、
騙されたことにも苦笑いで反応できてしまう。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
一方の主役である『玻璃』を演じた『石井杏奈』は
直近の〔ホムンクルス〕でもJKの役柄だったかと。
演技的には今だしで、本作は「EXILE」、
前作は同様に「avex」からみのキャスティングと思われるも、
上手くすれば化ける可能性を感じさせる。
類似の暗いテイストが溢れ返る
〔クリーピー 偽りの隣人(2016年)〕での『川口春奈』を彷彿とさせると書くと
褒め過ぎかな。
そう言えば、彼女もこの頃は二十一歳だったか。