RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

砕け散るところを見せてあげる@109シネマズ川崎 2021年4月10日(土)

封切り二日目。

席数118の【シアター3】はほぼほぼ満員の盛況。

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原作ありものも、当然のように未読。

なので、どこまでが原本で、
どこからが映画用の脚色かは解らないけれど
UFOを実体化させた映像は、取って付けたようで気になる。

監督の『SABU』らしい外連味のある表現も、
流れを阻害してしまう不要なシーンかと。


オハナシそのものはロマンスとサスペンスが融合した
ユニークな立ち位置。

前半、苛めに遭っている少女を上級生が救うとの件は、
共感を持って見つめる。
先の流れも読めず、なかなかに良いエピソードの積み重ね。

苛めを受けていることを見過ごせず、それを助ける決意をするまでが
極めて秀逸。

連綿と繋がる正義感が小気味良く体現される。


後半は転調。
一変し緊張感が漂うダークな展開に。

ただ、なまじ予告編を見ていると
先読みができてしまい、興がそがれる恨みはあり。

が、窮地を抜け出せるかのシークエンスは想定外の展開で、
おお!そう来たか!!と感嘆する落とし方。

愛情の変換が垣間見え、強烈ではあるも
こなれた描写。


また、唐突感のある冒頭部も、
観終われば落としどころとして十二分に納得感のあるもの。

人間は見たままを信じるとの、
レッドヘリング的な手法ではあるけれど、
騙されたことにも苦笑いで反応できてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


一方の主役である『玻璃』を演じた『石井杏奈』は
直近の〔ホムンクルス〕でもJKの役柄だったかと。

演技的には今だしで、本作は「EXILE」、
前作は同様に「avex」からみのキャスティングと思われるも、
上手くすれば化ける可能性を感じさせる。

類似の暗いテイストが溢れ返る
クリーピー 偽りの隣人(2016年)〕での『川口春奈』を彷彿とさせると書くと
褒め過ぎかな。

そう言えば、彼女もこの頃は二十一歳だったか。