封切り三週目。
席数224の【CHANTER-1】の入りは九割ほどと盛況。
正直、なんでこんな作品を作ったかなぁ、と
毒づきながら観に行った。
毒づきながら観に行った。
何故って、予告編でも、いや
チラシを見てさえ仕掛けはミエミエだし。
チラシを見てさえ仕掛けはミエミエだし。
オマケに記憶を失くしてしまうと言う
手垢の付いた設定。
手垢の付いた設定。
それでも、と思ったのは
なんとなく心の隅に引っ掛かるモノがあったから。
なんとなく心の隅に引っ掛かるモノがあったから。
結果としてはかなりの正解。
いや、確信的な予想は裏切られることは無かったけど
其処に到る経緯のエピソードが上手くできている。
其処に到る経緯のエピソードが上手くできている。
主人公の『ゼブ・グットマン(クリストファー・プラマー)』は
「アウシュビッツ」の生き残り。
たまたま老人ホームで同居する
同じ境遇の『マックス』と示しわせ、
自分達の家族を亡き者にしたナチSSのブロック長『ルディ・コランダー』を探す旅に出る。
「アウシュビッツ」の生き残り。
たまたま老人ホームで同居する
同じ境遇の『マックス』と示しわせ、
自分達の家族を亡き者にしたナチSSのブロック長『ルディ・コランダー』を探す旅に出る。
『マックス』が同道できないのは、それなりに理由があり、
『ゼブ』自身も大きな瑕疵を抱えている。
『ゼブ』自身も大きな瑕疵を抱えている。
何せ、ちょっとうたた寝をしただけでも記憶が消えちゃうんだから。
それを救ってくれるのが
邦題にもある『マックス』が書いてくれた「手紙」。
邦題にもある『マックス』が書いてくれた「手紙」。
そしてもう一つは、追う側が(勿論、追われる側も)著しく高齢と言うコト。
常であればマッチョなお兄ちゃんがアクションするのに
『ゼブ』は拳銃を持つ手さえ覚束ない。
『ゼブ』は拳銃を持つ手さえ覚束ない。
あまりの頼りなさに却ってハラハラドキドキしてしまう
素晴しい計算づく。
素晴しい計算づく。
それは例えばシャワーヘッドの大写しであったり、
貨物列車の貨車であったり。
貨物列車の貨車であったり。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
往時の関係者も齢九十を迎え
放って置いても、老いさらばえ、亡くなってしまうだろうに、と
当事者でない者は考える。けど、
どうやらそんな単純なものではなく
三つ子の魂のように
迫害された側の記憶は永遠で、
それが原題の指し示すところなのだろう。
放って置いても、老いさらばえ、亡くなってしまうだろうに、と
当事者でない者は考える。けど、
どうやらそんな単純なものではなく
三つ子の魂のように
迫害された側の記憶は永遠で、
それが原題の指し示すところなのだろう。