RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

オケ老人!@TOHOシネマズ錦糸町 2016年11月14日(月)

封切り四日目。

席数112の【SCREEN7】の入りは五割ほど。

来場者はタイトルに自分を重ねるのだろうか
老齢者の比率が高し。

そして特に彼等は
笑い処でもないシーンでケタケタと大声を上げる。

映画を見に来たのか
それとも笑いに来たのか。


イメージ 1



クラシックを扱ったこの種の映画で
駄作と評されるのは、そうは無い。

思うに、音楽自体に
ヒトのココロを震わせるチカラがあるし
散々エピソードを積み重ねられた後の演奏では
それらが去来し、思わずうるうるとしてしまう。


その間に挟み込まれる人間ドラマのカタチは様々。

ロートルな或いは使い古された旧楽団員が奮起し
最後には快哉を上げるのも、よくあるおハナシ。

しかし、今回はそれが更に徹底している。
構成員は皆が皆、明日お迎えが来てもおかしくないほど
よぼよぼ。

それが一流の市民オケに伍して行こうってんだから
気持ちの良さは倍増。


ではあるものの、出演者が多過ぎて
彼等・彼女等の背景を描き切れない恨みはあるし、
もっと 老い を嗤い倒すギャグも欲しかった。

細川徹』監督、ちょっと遠慮しちゃったかな。

いみじくも、オケ=棺桶、オケ≒ボケ
のようなメタファーはあるわけだから
もっといじりまくれば良かったのに・・・・。


また、観客は役者が実際に演奏しているとは思ってない訳で、
どれだけそれらしくみせるかが芸だと思うんだが、
オーバーアクトに過ぎるシーンはちらほら。

あまりのわざとらしさは、却って白けさせてしまうだろう。


ひょんなことから、ぼろぼろの楽団の
コンマス→指揮者を任されることになる
『小山千鶴』役の『杏』が随分と良い。

所謂、巻き込まれ型だけど
気が付くと、抜き差しならない状況になってしまう
ちょっと気の弱い高校教師を好演。

今までの映画では、エキセントリックな役以外では
あまり記憶に残らなかったけど
これで一皮剥けたかも。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


ロミオとジュリエット〕風のファンタジーも盛り込み
更には、必ずしもハッピーエンドとはならないラストシーンも捻りが有り好感が持てる。