RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ラプラスの魔女@109シネマズ川崎 2018年5月4日(金)

本日初日。

席数175の【シアター4】はほぼほぼ満員の盛況。

野郎ラーメン』の「豚野郎」伝説じゃあないけれど
『すず』ちゃんに「見た目より馬鹿ね」と蔑まれたいおぢさんが
大挙して押し寄せるだろうと思っていたら、なんと吃驚
女性の方の比率が高い。

そうか~。『櫻井』くんに加えて『福士』くんまでいるからなんだな。
オマケに『東野圭吾』作品は女性読者が多いらしいし。


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距離の離れた温泉地で二つの死体が発見される。
その両方に硫化水素中毒の兆候が見られたことから
麻布署の刑事『中岡(玉木宏)』は二つの死に繋がりがあるのでは、との疑念を持つ。

一方、事故を前提での調査を依頼された泰鵬大学教授の『青江(櫻井翔)』は
開けた空間で中毒が起きたこと自体を不審に思う。

が、やがて、『中岡』の調査から、亡くなった二人を繋ぐ共通の人物、
そして過去の硫化水素中毒に絡んだ事件が炙り出されて来る。


本作のどこが悪いわけではない。明確な破綻は見つからない。
なのに全体的にキレが悪い。

この原作での映画化自体が正しかったのか、と思えて来る。


最初は幾つかの点であったのが、次第に線として繋がって行く。

謎めいた人物が登場し、夫々の役割を果たす。

観るものを惑わすに十分なレッドヘリングが示され、
予想を裏切る事実が明示される。

作者お得意の親子の情愛や愛憎のエピソードも盛り込まれ
お話としては十分過ぎるほどいっぱいいっぱい。

なのに、である。


ラプラスの悪魔」の設定自体に疑義を持ってしまうことも背景にあるのかもしれない。

例を挙げれば、車を道具として使うシーン。
あくまでも物理法則に従うのなら、その重量が極めて重要になるはずだが
複数車種のそれを果たして知っているか、とか。


或いは人間関係についても、敵対的な姿勢を取っているように見えたのに
突如組するようになった理由は、とか。

それらの背景も含めて二時間弱の尺ではやや説明不足かも。


一方でお話し自体はテンポ良くぽんぽんと進むので
あれあれと思っている間に終盤を迎えてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


ラプラスの悪魔になるには、それなりの覚悟が必要」との言が
鍵になる科白として何回か出てくるけど、それがストーリーに直接
膾炙するシーンが見られないことも辛い。

まぁ、先に挙げたキレの無さから言えば
『櫻井』くんの役どころが正しくそれで、もっと他のキャスティングだったんじゃ、と
思わせるところが一番の問題かもしれない。