RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

グラスホッパー@TOHOシネマズ日本橋 2015年11月14日(土)

封切り八日目。

席数110の【SCREEN2】は満員の盛況。


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典型的なと惹句が付き、しかも原作者お得意の
巻き込まれ型。
しかも本作、その巻き込まれ方が尋常ではない。

先ず冒頭のシーン。
事件の黒幕が誰であるのかが、あっさりと
種明かしされてしまう。

観ている側は混乱する。
この先、単純な復讐譚になってしまうのかと。

ところが実際は本作の主人公である『鈴木(生田斗真)』は
二重の意味で「巻き込まれている」コトが次第に分かって来る。

この仕掛けの部分、捻りが効いており好感が持てる。


全体を通せば、一見して
かなりスムースな語り口に終始しているけれど、
必ずしも諸手を挙げての賛意は示せない。

ドラマチックに盛り上げるための手段だろうけど、
幾つかの有り得ない設定や場面があり、かなりの違和感。

勿論、主要な人物に備わっている
超常的な能力のコトを言っているのではない。
それは物語を構成する大事な要素なんだから


それ以外にも、
主人公が組織に繋がる為にとった行動そのもの、
或いは、裏社会の大物が仕切っている割りには、
余りにもチープ感の漂うビジネスにも現われている。

過少な組織の構成員にしても言わずもがな。

設定は上手く出来ているのに、映像にしてしまうと
妙に安っぽかったり、現実から乖離していたり
有り得なく見えてしまう、少女漫画の映像化に近い印象と
言ったら良いか。


そして、物語は終幕を迎え、種明かしがある。
予定調和の流れではあるけれど、正直これらシーンの全てが
必要であったかどうか。

かなり芸達者な俳優さんを揃えたので、
彼等・彼女等の表情やカットの繋ぎだけで
背景は十分に読み取れてしまうのに。

丁寧な造りが、余韻を削いでしまい。
却ってかなり勿体無い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


最近何かと話題の『波瑠』だけど、
自分的には〔アゲイン 28年目の甲子園〕で一皮むけた印象を持つ。

そんな彼女の出番があまり多くないのは
やや残念でもある。