RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

君と100回目の恋@TOHOシネマズ新宿 2017年2月16日(木)

封切り二週目。

席数122の【SCREEN11】の入りは三割ほど。

カップルや若い女性の二人連れが多い。


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スター・ウォーズ〕が公開された時に
唯一の失敗は『レイア姫キャリー・フィッシャー)』のキャスティングと
散々言われたものだけど、エピソードを重ねるに連れ
そう言った声も次第に静まって行った。まぁ、続編ができたことによる僥倖だけど。

しかし本作では、続編の制作はありうべくもないから
配役はより重要。

にもかかわらず、何故、片方の主人公『葵海』に
『miwa』を当ててしまったのだろう。

なまじ脚本の出来がそこそこなので
彼女が出て来る度に、そのぎこちない表情や
ぎくしゃくとした挙動にげんなりとしてしまい
物語世界に没入することができない。
科白も下手だし。

回りを囲む『真野恵里菜』が最近増々良くなっているだけに
その差は歴然。

明らかなミスキャストで、まさか歌わせることを優先した結果の選択じゃあないよね。

だとしたら本末転倒。『月川翔』監督、
前作の〔黒崎くんの言いなりになんてならない〕は
作品そのものがダメだったけど
本作はそれ以外に大きな瑕疵が見当たらないだけに
惜しい限り。


時間が巻き戻る設定は、直近で多く、
中途の経緯は変っても同じ結末を迎えてしまうため
それを変えようと奮闘する主人公についても同様。

本編では、その鍵となるのが
ちょっと意表を突く小物で、最初それが提示された時には
あまりの有り得なさに正直ぽかんとしてしまった。

それじゃあ正確な時間への巻き戻しはとってもムリだろうし、
予期せずに起こる事態との整合性も無い。

けど、その後に詰め込まれたエピソードの広がりは
成る程、良く考えられており、素直に唸ってしまう。

ただもう一人の主人公『陸(坂口健太郎)』が
量子力学にのめり込むコトが取って付けたようで
その絡みで登場する『小原遥(太田莉菜)』も
随分と下手な演技をしてしまっており、
いっそのこと、この関連の部分はバッサリと切ってしまった方が
テンポが出て良かったかもしれない。


また、どんなに手立てを講じても
同じ結末を迎えてしまうその間の描写が一回きりしかなく
どのような経緯でそうなったのかがさっぱり判らないでは
フラストレーションが溜る一方で
手抜きかイマジネーションの欠如かと
正直、毒づきたくなった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


人生はやり直しがきかないからこそ、
その一瞬の全てがきらきらとし、愛おしいものであることは
全くその通りだけど、
誰しもが一つや二つは、あの瞬間に戻ってやり直せればって
思う出来事って、有るよねぇ。